1991 Fiscal Year Annual Research Report
極微小伝熱面における超高熱流束下の沸騰現象に関する研究
Project/Area Number |
02452126
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
飯田 嘉宏 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90005299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 武雄 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40197091)
奥山 邦人 横浜国立大学, 工学部, 講師 (60204153)
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Keywords | 沸騰 / ゆらぎ核生成 / 超高速加熱 / 非定常沸騰 / 発泡現象 / 均質核生成温度 / 伝熱工学 / 超高熱流束 |
Research Abstract |
本年度の研究においては先ず、前年度までの研究の問題点であった温度測定精度の向上について実験とシミュレ-ションによって詳細な検討を行った。即ち、試片の熱処理と供試液体の前処理、電圧・電流の測定精度等を改めて検討した。また、二次元熱伝導シミュレ-ションを数多くの条件について行った。この結果、試片内温度分布を示し、実際入力と温度変化の関係を得、これらを実験結果と比較して精度向上を図ると共に補王法を得た。 以上の検討結果に基づき、大気圧下の純水について実験を重ね、前年度までに存在を明らかにし「キャビア状発注」と名付けた特異な発注現象が高熱流束下で発生し、発泡開始温度はゆらぎ核生成温度に近いことが確認された。また古典的核生成理論に基づいて気泡発生点密度の生現状況を理論的に求め、実験結果とある程度の一致を示すことを明らかにした。 一方、有機液体の代表としてエタノ-ルとトルエンを選び、極微小平面伝熱面に対して10^5〜2×10^7K/Sという高速加熱を行い、この時起こる沸騰現象に関して伝熱面温度を点測、相様を観察し、また理論値と比較した。この結果、昇温速度が大きい場合には、純水の場合と同じく通常の核沸騰では考えられないような極めて多数の気泡発生が見られた。この場合の気泡の大きさは均一,発生位置はほぼ一様である。また発泡開始温度は7×10^6K/S以上では昇温速度に余り依存せず、ゆらぎ核生成温度の理論値にほぼ一致した。以上より本研究で観察された沸騰は、ゆらぎ核生成に起因する現象であると推論された。
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[Publications] 飯田 嘉宏・ほか3名: "超高パルス加熱時の沸騰現象に関する研究(有機液体における発泡挙動)" 第28回日本伝熱シンポジウム講演論文集. Vol.3. 712-714 (1991)
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[Publications] Y.Iida・ほか2名: "Peculiar Bubble Generation on a Film Heater Submerged in Organic Liquids and Imposed an Extremely High Heating" Int.J.Heat Mass Tranofer.