1991 Fiscal Year Annual Research Report
放電発光スペクトルの多数同時計測による電界および電子エネルギ-分布測定法の研究
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02452137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 照哉 東京大学, 工学部, 教授 (30010705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 政邦 東京大学, 工学部, 助手 (20011140)
日高 邦彦 東京大学, 工学部, 助教授 (90181099)
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Keywords | 分光計測 / 放電発光 / 電界計測 / 電子密度計測 / 回転温度計測 / プロ-ブガス / 窒素 / アルゴン |
Research Abstract |
放電現象の分光診断法に関して、多数の放電発光スペクトルを同時に計測することを基本とし、測定精度の向上と新たな実用的な手法の開発を目指したものである。本年度の研究成果は以下のようにまとめられる。 (1)昨年度提案した電界強度推定法の校正法により、プロ-ブ測定による電界強度測定値と分光計測による電界強度推定値とを、合理的に一致させることができることが分かった。この結果、分光計測による電界強度推定法をプロ-ブ測定法と同程度の精度に改善できた。 (2)分光計測による電子数密度推定法の校正法を提案した。この校正法は電子密度と電界強度が既知の放電空間を用いて、未知数の集合として定義した測定系の効率を決定するものである。新たに検討を行った陽光柱理論を用いることで、電子数密度を10%程度の誤差で決定できることが分かった。 (3)針ー平板電極の放電空間中での電界強度と電子密度とを、上記の手法によリ推定した。推定結果は、針先端の非流動平衡領域を除く広い領域で、妥当なものだと考えられる。 (4)回転温度の分光診断法として新たにN_2 first positive bandスペクトルを用いる方法を提案した。この方法による回転温度の推定結果を、従来の分光診断手法による推定結果および数値計算結果と比較した結果、回転温度数百Kの放電空間で、理論値と実験値に±50K程度の食い違いが見られることが分かった。 (5)Arをプロ-ブガスとしてN_2に微量混合た場合に、Arの放射レ-トが測定可能で、陽光柱内の電界強度に依存して変化することを検証した。プロ-ブガスとしてArが利用可能であり、Arや他の希ガスとN_2の発光強度比からも電界強度の推定ができ、電子エネルギ-分布の推定の可能性についても示唆を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 濱田 昌司: "窒素グロ-放電陽光柱を用いた分光診断法の校正と評価" 電気学会論文誌A. 111. 417-425 (1991)
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[Publications] 濱田 昌司: "N_2 first positive(2,0)bandの分光測定による回転温度推定法の提案" 電気学会論文誌A. 111. 1099-1100 (1991)