1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452140
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石山 敦士 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00130865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小貫 天 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063428)
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Keywords | 超電導 / 交流 / 安定性 / 常電導伝播 |
Research Abstract |
CuNi母材(高抵抗母材)を有する素線の長手方向への常電導伝播特性に関する実験を昨年度から繰返し行ない、固有の伝播現象が明かになりつつあった。本年度は、まずこの現象を三次元有限要素法解析により検討した。常電導の波及していく先端部(ノ-マルフロント部)において、高抵抗母材の電気的、熱的特性から電流分配、熱拡散がスム-ズに行なわれず、素線半径方向への温度勾配が大きいため、冷媒(液体ヘリウム)による冷却効果がほとんど期待できず、超電導体部附近のみが温度上昇し、それが常電導伝播に大きく影響を与えている。これにより、最小伝播電流(常電導が伝播していく最小の電流)がほとんどゼロとなっていること、低磁界、大電流領域で、通常の銅母材を有する線材の場合に比べ、特に高速の常電導伝播が起こりやすい状態になっていることなどが明らかになった。また、撚線導体についても、素線を2本撚った導体を製作し、上記で得られた素線の長手方向への常電導伝播速度とともに、素線間の電磁的、熱的結合の常電導伝播特性への影響についても実験を行なった。さらに素線間の熱伝導の有限要素法解析も併せて行なった。これらの結果から、電磁的結合による電流上昇によって起こる常電導転移と線間の熱伝導による温度上昇によって起こる常電導転移との時間差により高速の常電導伝播の有無が説明できることを実験と解析の両面から明かにできた。本研究補助金の分配が第三次内定であったため、設備備品である超電導パルスマグネット用実験装置の納入が予定より遅れてしまった。現在、これを用い、交流用導体に変動磁界を印加した場合の実験に入るところである。これと平行して、交流電流、交流磁界における常電導伝播現象について、有限要素法による解析を試みている。また、電流変化が激しい際の臨界電流の低下現象についても、実験と解析の両面からの検討を行なっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Ishiyama: "Normal zone propagation velocities in Superconducting wires having a CuNi matrix" IEEE Trans.on MAGNETICS. MAGー27. (1991)
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[Publications] A.Ishiyama: "Quench propagation analysis in adiabatic superconducting windings" IEEE Trans.on MAGNETICS. MAGー27. (1991)
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[Publications] T.Onuki: "Hybrid finite element and Boundary element method applied to electromagnetic Problems" IEEE Trans.on MAGNETICS. MAGー26. 582-587 (1990)
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[Publications] 小貫 天: "角筒型リニア誘導モ-タの縁効果とスロットごと給電方式の検討" 電気学会論文誌D. Vol 110. 807-813 (1990)
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[Publications] 小貫 天: "磁束検出によるリニア誘導機の推力制御" 電気学会論文誌D. Vol 110. 957-965 (1990)