1990 Fiscal Year Annual Research Report
有機電界発光素子の発光および劣化機構の解明と素子の高輝度化・安定化
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02452146
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水谷 照吉 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 竜雄 名古屋大学, 工学部, 助手 (40230073)
鈴置 保雄 名古屋大学, 工学部, 助教授 (10115587)
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Keywords | 有機薄膜 / 作成条件 / 真空蒸着法 / 発光しきい電圧 / アルミキノリノ-ル錯体 / ジアミン誘導体 / 電界発光 |
Research Abstract |
平成2年度では薄膜試料の作成条件(真空蒸着法)が有機電界発光素子の発光特性に与える影響を検討した。発光特性は発光量を比較するとともに、当科研費で購入したマルチ測光スペクトルメ-タにより発光スペクトルを検討することにより有機分子間の相互作用の検討も行うことが可能となり、より深い考察が可能となった。1.発光材料であるアルミキノリノ-ル錯体の成膜速度が発光特性に与える影響を調べ、電荷輸送層と組み合わせた二層構造素子ではアルミキノリノ-ル錯体の成膜速度が遅いほど発光しきい電圧が低下することを明らかにした。発光スペクトルに差がみられないことから電荷輸送材料ジアミン誘導体とアルミキノリノ-ル錯体との電気的なコンタクトの違いが原因と考えられるが、現在詳細について検討を続けている。2.発光特性に及ぼすITO基板の影響を調べ、電子ビ-ム蒸着により成膜したITO基板を利用した素子はスパッタ法により成膜したITO基板に比べて発光しきい電圧が低くなることを明らかにした。これも発光スペクトルに変化がみられないので、ITOとジアミンとのコンタクトが大きく影響を及ぼすことを示している。以上の作成条件が発光特性に及ぼす影響の他に、電荷輸送層の電気特性の影響を検討するとともにこれらの成果を論文として発表する準備を現在進めている。
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