1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452151
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
池上 文夫 拓殖大学, 工学部, 教授 (20093180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 泰 拓殖大学, 工学部, 助手
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Keywords | 移動通信 / 山岳反射波 / 多重波伝搬 / 周波数相関 / 建物回折損失 / 多重波遅延時間 |
Research Abstract |
本年度は伝搬構造測定系の試作を先ず行った。電界強度移動測定、周波数相関測定、方向パタン測定の各測定系とデ-タ処理系の試作を完了した。TV信号にパルスを重畳させて遅延時間を測定する系については、測定器の入手後直ちに試作を行い予備実験を行った。これらの測定系の動作確認を兼ねて、本学構内において野外実験を実施した。その結果、以下のように構内における多重波伝搬構造の概略を把握した。 1.工学部棟屋上より1.282GHz電波(10W)を送信し、構内道路(コ-ス長1,350m)上で移動受信を行った。建物の蔭では平均電界強度が20ー25dB減衰し、計算値とほぼ一致する結果を得た。 2.全試験コ-スで周波数差50ー300kHz(500kHz毎)の周波数相関を測定した。2つの伝搬モデルに対する等価通路差を求めた結果、建物の蔭で平均電界強度の減衰に伴って多重波通路差が増加し、代表的場所でそれぞれ100m及び200mの通路差が観測された。 3.多重波伝搬の典型例として建物の蔭で指向性アンテナによる方向パタンの測定を2m間隔で行った。多重波の到来方向を分離し建物回折波、建物反射(散乱)波、丘陵反射波が観測された。 4.以上の測定により構内の多重波伝搬構造の概略が把握され、この近距離の伝搬においても建物や丘陵の影響が明瞭に示された。多重波の存在は明確であるが、これを確定するには各多重波に対する遅延時間(通路差)の正確な測定が必要で、新しい測定法の検討を進めている。 伝搬構造の基礎測定を行うという本年度の研究は目的を達成したが、山岳反射波の測定系は丘陵反射が測定できることを確認し、次年度はこれに重点を置いて本格的測定に入りたい。
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[Publications] 池上 文夫: "移動通信の将来を展望する" ITU研究,日本ITU協会. No.220. 1-50 (1990)
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[Publications] F.IKEGAMI: "A System Consideration of Digital Mobile Radio in Multipath Propagated Environments." Abstracts of XXIII General Assembly of the International Union of Radio Science(URSI),Prague,Czechoslovakia.2. 423-423 (1990)
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[Publications] S.Yoshida: "High BitーRate Field Transmission of an AntiーMultipath Modulation Technique PSKーRZ." Proc.of the 40th IEEE Vehicular Technology Conference,Orlando,Florida.May. 527-532 (1990)
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[Publications] 竹内 勉: "市街地多重波遅延プロフィ-ルの理論的予測法の基礎検討" 電子情報通信学会論文誌. J73ーBーII. 779-785 (1990)
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[Publications] 池上 文夫: "移動通信の裏表" 電気学会雑誌. 110. 1017-1023 (1990)
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[Publications] F.Ikegami: "Theoretical Prediction of Mean Field Strength for Urban Mobile Radio." IEEE Trans.Ant.& Propag.