1990 Fiscal Year Annual Research Report
不完全知識を操作し高次知能機能を実現する知識ベ-スに関する研究
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02452154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 満 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50114369)
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Keywords | 人工知能 / 知識ベ-ス / 推論機構 / 仮説推論 / 論理 / 知識ベ-スコンパイル / 類推 |
Research Abstract |
知識ベ-スの能力を拡大するためには、今後、類推、学習、発想といった高次人工知能機能を解明して、広く利用できるようにすることが大きな課題である。そのような知識ベ-スの実現へ向けてのアプロ-チとして、「不完全な知識を含む知識ベ-スとこれを操作する高速高次推論」が重要な視点であるとし、「論理に基づく仮説推論システム」を具体的な枠組みに設定して研究を推進した。 仮説推論は診断や設計問題に直接的に適用できるという実用性も備えた重要な枠組みなのであるが、非単調推論となるため、推論速度が十分でないことが最も大きな問題点である。そこで、仮説推論の高速化メカニズムを最重点課題として研究を進め、次のような幾つかの有用な手法を考案、開発した。 1)推論パスネットワ-クによる高速仮説推論法(仮説の矛盾によって生ずるバックトラックを回避する推論法により、Prologに基づくシステムと比較すると、1000倍以上の高速化を達成する。) 2)類推の利用による高速仮説推論法(過去の推論で成功した類似事例を利用することにより高速化を図り、平均値として可能仮説数に対して指数オ-ダ以下の推論時間を達成できることを示した。) 3)発想的仮説生成の効率化のための知識ベ-ス・コンパイル法(問題が与えられる前に推論できる部分は行って知識を変形してしまうコンパイル法の研究を行い、命題論理節集合を高速にPrime Implicant節にコンパイルする手法を開発した。) 4)重み付け制約の制御による仮説推論システムとその回路ブロック設計への応用(仮説推論が設計問題にも有効であることを具体的に示した。軽いヒュ-リスティックとして制約知識に重みを付け、これによって推論動作を制御する実用的な高速仮説推論機構を開発することによって実現した。)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ishizuka,T.Matsuda: "Knowledge Acquisition Mechanisms for a Logical Knowledge Base including Hypothesis" KnowledgeーBased Systems. 3. 77-86 (1990)
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[Publications] 牧野 俊朗,石塚 満: "制約評価機構付き仮説推論システムとその回路ブロック設計への応用" 人工知能学会誌. 5. 640-648 (1990)
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[Publications] T.Makino,M.Ishizuka: "A Hypothetical Reasoning System with Constraint Handling Mechanisms and its Application to CircuitーBlock Synthesis" Proc.of Pacific Rim Int'l Conf.on Artificial Intelligence (PRICAI'90). 122-127 (1990)
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[Publications] 塚田 三郎,石塚 満: "発想的知識生成のための命題論理知識ベ-スのコンパイル法" 人工知能学会誌. 6. 117-123 (1991)
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[Publications] 石塚 満: "人工知能の夢への接近" 情報処理. 32. 7-9 (1991)
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[Publications] 伊藤 史朗,石塚 満: "推論パスネットワ-クによる高速仮説推論システム" 人工知能学会誌. 6. (1991)