1990 Fiscal Year Annual Research Report
可観測な環境でのテスト設計と診断容易化手法に関する研究
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02452165
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樹下 行三 大阪大学, 工学部, 教授 (00028995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板崎 徳禎 大阪大学, 工学部, 助手 (90223073)
安井 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029014)
高松 雄三 愛媛大学, 工学部, 教授 (80039255)
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Keywords | 故障診断 / 論理回路 / LSIテスト / 電子ビ-ムテスト / 診断容易化設計 / テストパタ-ン生成 / テスト容易化設計 / 全可観測テスト |
Research Abstract |
本年度の研究の主な成果は次の通りである。 1)全可観測な環境でのテスト容易な論理回路として,kUCーNAND回路を提案し,その性質を調べた。ここで全可観測な環境とは,すべての論理ゲ-トの出力線が観測可能であることを意味する。この回路の特徴は,全可観測な環境では,固定長のテストパタ-ンで,すべての縮退故障およびスタックオ-プン故障をテストすることが出来ることであり,その長さは,それぞれk+1,k(k+1)+1である。ここで,kは理論ゲ-トのファンイン数であり,通常は2か3であり,非常に短いテストパタ-ンが得られる。この結果は,電子情報通信学会論文誌及び1990年の耐故障計算国際会議(FTCSー21)で報告した。 2)種々の論理回路について全可観測な環境でのテスト生成,故障診断表の作成,故障位置指摘を行なうために,ワ-クステ-ションシステムを構築した。 3)任意の論理回路をkUCーNAND回路に変換するためには,付加ゲ-トと付加入力が必要となる。しかし,最小付加数を見つけるアルゴリズムは,NP完全であるので,近似解を求る手法を用いてベンチマ-ク用の回路変換を行ない,付加ゲ-ト数の評価を行なった。この結果については,1990年の国際テスト会議(ITC90)で報告した。 4)kUCーNAND回路が全可観測であるとして,故障診断を行なうアルゴリズムを開発し,ベンチマ-ク回路を用いて故障診断の模擬実験を行ない,電子ビ-ムテスタ-を用いる場合の実行時間などその効率について評価を行なった。大規模回路の取り扱いを可能にするため,故障診断表の階層化を行ない故障診断アルゴリズムを開発した。この結果は1990年度の「電子ビ-ムテスティングシンポジウム」で発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 樹下 行三,温 暁青,S.M.レディ: "全可観測な環境でのNAND論理回路のスタックオ-プン故障の検査手法について" 電子情報通信学会論文誌. J73ーD. 245-252 (1990)
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[Publications] Wen Xiao qing and Kozo Kinoshita: "Fault Detection and Diagnosis of kーUCP Circuits under Totully Observable Condition" Proc.of 20th International Symposium on Fault Tolerant Computing (IEEE). June. 382-389 (1990)
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[Publications] Wen Xiao qing and Kozo Kinoshita: "A Testable Design of Logic Circuits under Highly Observable Condition" Proc.of International Test Conference(IEEE). Sept.955-963 (1990)
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[Publications] 板崎 徳禎,徐 小楽,樹下 行三: "全可観測な環境でのLSIテストの故障診断表の構成手法について" 荷電粒子ビ-ムの工業への応用第132委員会 第113回研究会資料(日本学術振興協会). 12月. 47-51 (1990)
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[Publications] 樹下 行三: "電子ビ-ムテスタ-を用いた論理回路のテストとテスト容易設計について" 荷電粒子ビ-ムの工業への応用第132委員会 第113回研究会資料(日本学術振興協会). 12月. 19-24 (1990)
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[Publications] Yuzo Takamatsu and Kozo Kinoshita: "Extended Selection of Switching Target Faults in CONT Algorithm for Test Generation" Journal of Electronic Testing:Theory and Applications. 1. 183-189 (1990)