1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富田 眞治 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40026323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和彰 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10200263)
吉田 紀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00182775)
福田 晃 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80165282)
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Keywords | ス-パ-スカラ・プロセッサ / 命令パイプライン / 最適化コンパイラ / コ-ド・スケジュ-リング / 分岐予測 / ロ-ド / ストア・ア-キテクチャ / 割込みア-キテクチャ / 低レベル並列処理 |
Research Abstract |
研究実施計画に従い,多重命令パイプラインの基本制御方式,高速化手法およびシミュレ-ションによる性能予測について研究を行った.本年度のおもな研究成果を以下に示す. 1.多重命令パイプラインの基本制御方式の研究:プロセッサの基本制御方式はほぼ決定した.特に以下の点に留意している.(1)目的プログラムのポ-タビリティを保証するために,命令間の依存関係はプロセッサ内部で検出し,デ-タの到着までインタロックをかけることによって,正しい結果が得られるようにする制御方式を採用した.(2)分岐命令の高速処理を行うために早期分岐解消方式を採るとともに,分岐先バッファ方式と静的分岐予測とを併用した分岐予測機構を採用した.(3)目的プログラムを並列に処理するプロセッサ向きの,新しい割込みア-キテクチャを考案し採用した. 2.多重命令パイプラインの高速化手法の研究:シミュレ-ションによる性能予測を行った結果,採用する手法の組合せによってはハ-ドウェアが増加するにもかかわらず,それに見合うだけの性能向上を望めない場合もあることが判明した.その結果を踏まえてハ-ドウェアとソフトウェア間のトレ-ドオフを考慮した結果,ハ-ドウェアコストを抑え,ソフトウェアによる最適化を積極的に活用するようにした.すなわち,高速化のために不可欠である,同時に実行可能な命令の抽出はプログラムの実行前にコンパイラにより行う.最適化コンパイラ技術に関しては従来から種々の方式が考えられており,我々も以前から検討を重ねてきている.我々が開発するプロセッサに効果的な最適化方式については今後さらに検討する必要がある.
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[Publications] 久我 守弘: "SIMP(単一命令流/多重命令パイプライン)方式に基づくス-パ-スカラ・プロセッサ『新風』の性能評価" 情報処理学会「並列処理シンポジウムJSPP'90」. 337-344 (1990)
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[Publications] 村上 和彰: "SIMP(単一命令流/多重命令パイプライン)方式に基づくス-パ-スカラ・プロセッサの改良方針" 電子情報通信学会技術研究報告. CPSY90ー54. 97-102 (1990)
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[Publications] 原 哲也: "SIMP(単一命令流/多重命令パイプライン)方式に基づく改良版ス-パ-スカラ・プロセッサの構成と処理" 電子情報通信学会技術研究報告. CPSY90ー55. 103-108 (1990)
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[Publications] 原 哲也: "DSN型ス-パ-スカラ・プロセッサ・プロトタイプの分岐パイプライン" 情報処理学会研究報告. ARCー86. (1991)
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[Publications] 納富 昭: "DSN型ス-パ-スカラ・プロセッサ・プロトタイプのロ-ド/ストア・パイプライン" 情報処理学会研究報告. ARCー86. (1991)