1990 Fiscal Year Annual Research Report
談話理解のための語彙機能モデルとその計算機処理方式に関する研究
Project/Area Number |
02452167
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 浩郷 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30208392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 一郎 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10207384)
中村 順一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (30164304)
岡田 直之 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (80037837)
後藤 万里子 九州工業大学, 情報工学部, 講師 (20189773)
杉本 武 九州工業大学, 情報工学部, 講師 (70196749)
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Keywords | 言語学 / アスペクト / モダリ・ティ / メンタルスペ-ス / 自然言語理解 / 意味理解 / カオス / ニュ-ラルネット |
Research Abstract |
今年度は、談話理解のための言語的制約について言語学および計算機科学の両観点から分析的研究を進めるとともに、語の機能に着目して談話理解モデルの基本検討を行なった。さらに、談話理解を制御するための計算機構についても基本検討を行なった。その結果、計画にそった語彙機能モデルの設定が可能であるとの見通しを確認した。以下に、それぞれの研究成果の概要を述べる。 1.アスペクトとモダリテイの意味モデル 日本語における文末表現の一つである「てしまう」は、アスペクトとモダリテイの両情報を表わすことが指摘されていたが、本研究では、動作を表わす動詞が無意志的である場合に「てしまう」がモダリテイの意味を表わすことを明らかにし、その意味モデルを確立した。 2.反事実性表現の意味モデル 英語における反事実性の表現は、法助動詞やif節やwishなどとともに現われる形式をとるが、その意味は多様である。そこで、時制の意味機能および法助動詞が表わす世界の性格づけにより明確な意味モデルが設定できることを示した。 3.メンタルスペ-スによる意味理解モデル 言語表現の意味を解釈する場として人の心の中に形成されるメンタルペ-スの構成と、文脈情報に基づくメンタルスペ-スの深索の条件を示し、それにより意味理解のモデルを設定した。 4.意味理解機構 語の概念を個別に記憶する知識部と個々の概念の関係を記憶する構造部との2層構成からなりカオス状態を発生できるニュ-ラルネットにより、知識習得と概念形成を行なう意味理解機構を設定した。 今後は、これらのモデルを拡大・精密化し、かつ実験システムを作成して検証する。
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[Publications] 杉木 武: "日本語の大主語と主題" 九州工業大学情報工学部紀要. 3. 165-182 (1990)
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[Publications] 後藤 万里子: "仮定法に関わる表現のFree Thought Space Builderとしての意味機能" 九州工業大学情報工学部紀要. 3. 135-163 (1990)
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[Publications] 野村 浩郷: "A Lexical Model for Natural Language Meanings" Proc.of the First Workshop of Japan United Kingdom International Cooperative Research Programme on Computational Linguistics. 1-6 (1990)
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[Publications] 野村 浩郷: "自然言語処理" 情報処理. 32. 2-4 (1991)
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[Publications] 津田 一郎: "コンピュ-タの記憶と生物の記憶" 病態生理. 9. 296-304 (1990)
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[Publications] 津田 一郎: "Chaotic Information Processing" Proc.of the International Conference on Fuzzy Logic and Nearal Networks. 641-644 (1990)