1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452185
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 久明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70107366)
|
Keywords | セミサブリング / 復原性 / 安全性 / 転覆 / 複合外力 / 救命いかだ / 風、波、潮流 / 多方向波 |
Research Abstract |
係留された浮遊式大型海洋構造物あるいはシ-アンカ-付の救命いかだが風、波、潮流中で転覆し多くの人命が失われた事故例が契機となり、世界的にこれらの浮体に対する安全の基準づくりが進められるようになった。しかしいずれの場合も、浮体の転覆機構が不明なまま安全基準づくりが進められているのが実状である。大型海洋構造物では残存復原性にある余裕を見込むことで安全性を保証するようにしており、救命いかだでは実物を実海域で試験することにより安全性を確認する方法をとっている。浮体の転覆機構が明らかになるならば、転覆の危険性を客観的に評価することが可能となり、転覆をしないようにするための対策も確実に立てることが可能となる。そこで本研究では、浮体が転覆に至る場合を表現する運動方程式を確立し、浮体が転覆に至る過程で作用する流体力ならびに風、波、潮流から受ける非線形外力の推定法を開発し、浮体の転覆機構を明らかにした上で、浮体の転覆防止のための合理的な安全基準を提案することを目的とする。ここで浮体としてセミサブリングと救命いかだをとり上げる。その理由は、従来の研究よりこの両者の転覆機構は大きく異なると判断されたからである。 平成3年度は次の研究を実施した。 1.多方向波中での係留浮体の時間領域での運動シミュレ-ションプログラムの作製 2.漂流中のいかだに作用する波浪荷重計測実験 3.浮遊海洋構造物の安全性評価法の開発
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 前田 久明,趙 孝済、宮島 省吾: "方向波が半潜水式海洋構造物の安全性に及ぼす影響" 日本造船学会第10回海洋工学シンポジウム. 229-236 (1991)
-
[Publications] Zhi Yu,H.Maeda: "On the Modeling of an OWC Wave Power System" 関西造船協会誌. 215. 123-128 (1991)
-
[Publications] 笠原 昭夫,前田 久明 他: "2次元人工不規則水波の発生法と解析法(第三報)" 関西造船協会誌. 216. 93-99 (1991)
-
[Publications] 前田 久明,宮島 省吾 他: "取水管付き係留浮体の挙動に関する研究" 日本造船学会論文集. 170. 345-358 (1991)
-
[Publications] H.Maeda: "Modelling techniques for dynamics of ships" Phil.Trans.R.Soc.334. 307-317 (1991)
-
[Publications] 前田 久明、山崎 知巳: "海洋構造物の安全性評価ー事故プロセスのコントロ-ルによる最適な安全対策の意志決定法" 日本造船学会第11回海洋工学シンポジウム. (1992)
-
[Publications] 前田 久明 他: "海中技術一般" 成山堂, 308 (1992)