耐航性能に対する水面上の船型形状の影響に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02452187
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩下 英嗣 広島大学, 工学部, 助手 (60223393) ; 肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582) ; 仲渡 道夫 広島大学, 工学部, 教授 (20034324)
• Keywords: 水面上の船型形状 / インパルス応答 / 細長体理論(Unified Theory) / 耐航性能 / 船型要素との相関関係

Research Abstract

水線面上の船型形状の影響を与慮した耐航性能の推定に関する研究を遂行し、今年度得られた研究成度は次の通りである。
(1)インパルス応答の手法を用いて、水面上の船型影響を考慮した2次元浮体に働く流体力ならびに運動の推定を行った。その結果、流体力ならびに船体運動に対する水面上の形状影響は無視できないことが明らかにした。
(2)細長体理論(Unified Theory)ならびに3次元境界要素法を数学船型に適用して3次元流体力を推定し、比較検討の結果、細長体理論の短所を明確にし、その修正法の検討を行った。
(3)水面を貫通した通常船型に3次元境界要素法を適用し、3次元流体力の推定の際問題となる線積分に関して、特異性を取り除く式の誘導を行った。さらに数値計算の結果、従来行われていた、水面近傍を細かく分割した解との一致を確認した。
(4)上記(3)の数値計算において、膨大な計算時間を要する核関数の計算法を検討し、従来の計算時間の十分の一となる効率の良い新しい計算法の開発を行った。
(5)船型要素と耐航性能との相関関係を表す方法を明かにし、船型改良の指針を得た。
水面上の船型形状を考慮した船体運動は計算時間が長くかかり、今年度までのところ2次元浮体の計算のみになっている。来年度は細長体理論を更に検討し、3次元境界要素法の推定精度に匹敵する計算法を確立すると共に3次元船型の水線面上の形状影響を明確にする予定である。

Research Products

• [Publications] 高木 幹雄,許 平,津村 信一: "自由動揺に対する水線面形状の影響とメモリ-影響関数" 西部造船会々報. 80. 117-130 (1990)
• [Publications] 許 平,高木 幹雄: "大振幅動揺中の二次元浮体に働く非線形流体力" 西部造船会々報. 81. (1991)
• [Publications] 肥後 靖,河 文根: "前進速度を有する物体の動揺問題における線積分に関する一考察" 関西造船協会誌. 215. (1991)