1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452190
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伯野 元彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (10016321)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 昌弘 東京大学, 地震研究所, 助手 (50159563)
東原 紘道 東京大学, 地震研究所, 助教授 (10125891)
|
Keywords | 個別要素法 / DEM / 地震断層 |
Research Abstract |
地震が,地殻の剪断破壊すなわち断層破壊によって放出される波動であることは,周知の事であるが,その地殻は亀裂があったりしてとても一枚岩とは思えない。そのような亀裂の多く入った地殻を粒状体で模擬し、そのような不連続体で発生する地震の特性を研究する。 現在まで、断層の滑り破壊は、解析的には、Haskellが提案した非常に簡単な一様すべりの仮定で長周期地震動が取り扱われてきた。しかしながら,構造物の耐震を考えるに当って入力地震動としては,0.1〜1.0秒の周期域を持つ加速度地震と推定しなくてはならない。そのためには,Haskellモデルのような単純な破壊形式ではなくアスペリティ、バリア-階層性など最近の地震学の知見を取り入れなければならないが,そのためには、地殻を不連続体として取り扱う必要があり、我々の行う個別要素法が最適であると思う。 この個別要素法の電算プログラムについては,既に粒子間力が摩擦のみの場合には、二次元(円形)、三次元(球)について個別要素法のプログラムはほぼ完成しており、多くの問題に適用しつつある。本研究では、このプログラムに付加する形で、粒間に引張力,粘着力が存在した場合,実際の地殻に近い挙動をとるのではないかと考えて,地震発生に至る過程と微視的に解析するプログラムを開発した。地殻モデルとしては、粒径10m〜30mの対数正規分布を持つ二次元粒状体によって,長さ500m幅200mのモデルを作り砂の単純剪断試験の要領で地殻を剪断させた。その際の亀裂の進行,摩擦力の変化,ダイラタンシ-変位の時間経過等を求めることができた。その結果,初期亀裂は,最終的な断層のすべりとは,45゚近い角度をもったエシュロン状の亀裂となること,摩擦力の時間経過は従来の岩石実験と比較的良く合うこと,ダイラタンシ-による垂直変位も摩擦力と相関があること等が知られた。
|