1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452194
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
後藤 幸正 東北学院大学, 工学部, 教授 (50005154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 浩司 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048803)
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Keywords | 異形鉄筋の重ね継手 / 低サイクル疲労強度 / 縦ひびわれ / 応力振幅 / 繰り返し荷重 |
Research Abstract |
本年度は、両端単純支承の鉄筋コンクリートはり供試体(長方形断面:14^<cm>×20^<cm>,全長:2.4m,スパン長:2.2m,主鉄筋:D16,2本,スパン中央に2組の重ね継手)を用い間隔1m左右対称の2点載荷による実験を行った。継手端部にスリットによる人工の縦ひびわれをあらかじめ生じさせたものと、そうでないものとの2種類を作成し、繰り返し載荷試験を行い継手強度を比較し、縦ひびわれ発生が継手の低サイクル疲労強度に及ぼす影響について検討した結果、次のような知見が得られた。 1)継手両端部付近のコンクリート表面に鉄筋軸と直角方向に貼付したひずみゲージの測定値が急激に変化した時に縦ひびわれが発生したと考えると、縦ひびわれはひずみが60〜120μの範囲で、荷重し2点載荷合計)1.8〜2.7tの範囲で多く発生している。また、継手部に縦ひびわれが発生する時の荷重は、継手両端部に設けたスリットの有無や方向によって異なり、水平方向にスリットを設けたものが最も低く、鉛直方向にスリットを設けたものはそれより高く、スリットを設けないものは最も高かった。これは、スリットが縦ひびわれを誘発する効果をもつためであり、水平方向スリットが特に低くなったのは曲げによるダウエル作用が加わったためと考えられる。 2)一定の荷重振幅で繰り返し載荷した場合、その最大荷重の値が1)で述べた継手部における縦ひびわれ発生荷重の範囲に入ると、繰り返し載荷の影響が顕著となり、継手部が低サイクル疲労破壊を生じる。しかし、最大荷重がその範囲以下であれば、繰り返し荷重の影響は殆ど見られない。これらのことから、重ね継手の低サイクル疲労強度には、継手部に発生する縦ひびわれが大きい影響を及ぼすもので、低サイクル疲労強度が問題になる場合には、作用する最大荷重を縦ひびわれ発生荷重以下に制限する必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)