高圧力条件における砂質地盤および堆積軟岩地盤の変形・強度特性に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02452195
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 土岐 祥介 北海道大学, 工学部, 教授 (50001136)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山下 聡 北海道大学, 工学部, 助手 (00174673) ; 三浦 均也 北海道大学, 工学部, 講師 (40190582)
• Keywords: 砂質土 / 軟岩 / 変形・強度特性 / 粒度分布 / 粒子の破砕性 / 拘束圧依存性 / 褶曲作用 / 降伏圧力

Research Abstract

研究はほぼ計画通り進行している。砂質土および軟岩それぞれについては実験を実施して成果まとめているが、固結度などを考慮した両者の関係についての検討は来年度以降行う予定である。平成2年度に行った研究内容および成果を箇条書にまとめると以下のようである。
1.ふるい分け等により準備した、粒度分布や粒子形状、粒子破砕性が異なる120種類余りの砂質土については基本的な物理試験、破砕試験、顕微鏡による観察を終了している。これらを通して試料の基本的な性質を整理し把握することができた。破砕性については新しい試験方法を提案し、せん断変形あるいは高拘束圧を与えることによる粒度分布の変化に基づいて破砕性を定量化できることが分かった。
2.変形・強度特性に及ぼす粒度分布や粒子形状、粒子破砕性の影響について調べた。粒子形状(角張り度)や粒度分布と砂質土が取り得る間隙比の幅との関係については密接な関係があることが明らかになった。さらに、せん断剛性やダイレイタンシ-は間隙比幅との間に強い相関があること。また、破壊強度には粒子の破砕性の影響が顕著であることも明らかになった。
3軟岩試料はダム建設予定地点から採取した。それらについては粒度分布試験、偏光顕微鏡による構成鉱物の分析、弾性波速度試験およびそのほかの基本的な物理試験を実施して物性を把握している。
4.試料採取地は強い褶曲作用を受けているために軟岩試料は透水性や変形・強度特性に当初想像していた以上に強い異方性が見られた。ボ-リング方向を変えて採取した軟岩試料についても一連の試験を実施し、褶曲作用と異方性の関係について検討した。

Research Products

• [Publications] 土岐 祥介: "褶曲作用を受けた軟岩の変形・強度特性と透水性" 土質工学会北海道支部技術報告集. 31. 77-86 (1991)
• [Publications] 土岐 祥介: "褶曲作用による軟岩の異方性" 土質工学研究発表会論文報告集. 26. (1991)
• [Publications] 三浦 均也: "一次的性質の異なった砂の変形・破壊挙動" 土質工学研究発表会論文報告集. 26. (1991)
• [Publications] 前田 健一: "変形・破壊挙動の密度依存性と砂の一次的性質の影響" 土質工学研究発表会論文報告集. 26. (1991)
• [Publications] 前田 健一: "砂の除荷時の変形特性に及ぼす一次的性質の影響" 土質工学研究発表会論文報告集. 26. (1991)
• [Publications] 松本 吉英: "異方性砂の砂の安息角と一次的性質との関係" 土質工学研究発表会論文報告集. 26. (1991)