1991 Fiscal Year Annual Research Report
非定常な流れ場における土砂輸送理論の体系化に関する研究
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02452203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 博次 京都大学, 工学部, 教授 (60027216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正吾 京都大学, 工学部, 助手 (70166247)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
禰津 家久 京都大学, 工学部, 助教授 (30109029)
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Keywords | 非定常開水路流 / 掃流砂 / ピックアップレイト / ステップレングス / 振動流 / ム-ビングペリオド |
Research Abstract |
本年度の研究によって得られた成果は次の通りである。 1.掃流粒子に作用する流体力は一般に様々なスケ-ルの変動を含んでおり、掃流過程もその変動に応答する形で様々に方動している。特に掃流過程の時間スケ-ルであるmoving period程度の周期の変動が卓越するとき、時間軸上の非平衡性が顕著となる。こうした場での非平衡掃流過程の記述には、確定論的なモデル化は不十分であり、pickーup rateとmoving periodより構成される確率モデルが有効であることを指摘し、その枠組みを示した。その妥当性は振動流・一方向流共存場での掃流砂実験によって確認された。 2.振動流・一方向流共存場におけるripple上の浮遊砂特性に関する水理実験を行い、その農度分布の時間・空間的な変化が浮遊砂雲に強く規定されていることを指摘、その移動特性と濃度分布との関係を定性的に説明した。次に浮遊砂雲を生成頃として考慮した非定常拡散方程式とkーε乱流モデルとを組み合せ、浮遊砂濃度の時空間分布の数値模擬を行い実験結果をほぼ再現できることを示した。提案された浮遊砂雲に基づくモデルは任意の時間における浮遊砂濃度,浮遊砂量の評価が可能であることが特徴である。 3.非定常開水路流の平均値決定に関して従来から提案されているいくつかの手法を、集合平均法をその基礎として比較、検討し、移動平均法周波数領域法を適用する際のずらし時間、波の重ね合せ回数についての条件を明確にした。 4.洪水流の乱流構造に及ぼす空間的な圧力勾配に着目し、Clamserの非平衡境界層ceラメ-タを開水路流に適用した。得られたパラメ-タは洪水流の波動特性、一次元化された水理量を支配するパラメ-タとも一致し、流れの非定常性が流れ構造に及ぼす影響が系統的に整理できる。
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[Publications] 辻本 哲郎: "時間軸に展開された非平衡流砂過程のモデル化" 土木学会論文集. 443. 37-46 (1992)
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[Publications] Iehisa Nezu: "Turbulent Structures over Dunes and Its Role on Suspended Sediments in Steady and Unsteady OpenーChannel Flows" Proc.of Iut.Symp.on Transport of Suspended Sediments and Its Mathematical Modelling. 165-190 (1991)