1991 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリックモビリティを含めた液状化過程における基礎の保有耐力と変形性能の評価
Project/Area Number |
02452210
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
時松 孝次 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50134846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
社本 康広 清水建設(株), 技術研究所, 研究員
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Keywords | 基礎構造 / 変形 / 砂地盤 / 杭 / 地震 / 液状化 / 相互作用 / サイクリックモビリティ |
Research Abstract |
杭周辺地盤の液状化過程における応答特性を明らかにするため、一次元地盤モデルに対するサイクリックモビリティを考慮した有効応力解析法を作成し、その妥当性を振動実験および間隙水圧上昇を含む実地震記録と比較検討した。その結果、解析は地盤が完全に液状化した実測に対しても、加速度、時刻歴、最大値、スペクトル形状を良く表現出来ることが分かった。さらに、実記録より推定された地盤の非線形性状と室内試験結果が整合することを明らかにした。次に、液状化過程における杭の水平地盤反力係数モデルを作成し、その有効性を模型実験と比較し確認した。次に、液状化過程おける地盤・杭・構造物系の相互作用を考慮した解析法を作成し、その妥当性を大型せん断土槽を用いた地盤・杭・構造物系に対する水平振動実験結果と比較検討した。解析から得られた杭・構造物および地盤系の加速度、変位、間隙水圧および杭の曲げモ-メントの時刻歴と地盤および杭・構造物系の加速度フ-リエスペクトルはいづれも実験値と良く対応し、解析手法の有効性が示された。以上の結果から、液状化過程において増大する地盤変形の影響を受けて杭が強制変形される場合のあること、また地盤が完全液状化しても杭の剛性が相対的に低いと、地盤変形の杭応力に与える影響が大きい場合のあることが分かった。さらに、地盤変形の杭応力に与える影響は、杭頭に働く慣性力の影響より大きい場合のあることが示された。以上の結果に基づいて、液状化過程において増大する地盤変形が杭応力に与える影響を、応答変位法を用いて評価する手法の妥当性について検討した。その結果、液状化過程における地盤反力の低下、地盤変位、杭頭加速度が正当に評価出来れば、応答変位法より杭に生ずる応力を適切に評価できる可能性が示された。
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[Publications] Nomura,S.: "Soil‐Pile‐Structure Interaction during Liquefaction" Proc.2nd Int.Conf.on Recent Advances in Geotechnical Earthquake Engineering and soil Dynamics. 1. 743-750 (1991)
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[Publications] 時松 孝次: "液状化過程における地盤変位が杭の応力に与える影響" 日本建築学会構造系論文報告集. 426. 107-113 (1991)
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[Publications] Yoshimi,Y.: "Ductility Criterion for Evaluating Remendial Measures to Increas Liquefaction Resistance of Sands" 土質工学会論文報告集. 31ー1. 162-168 (1991)
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[Publications] 社本 康広: "一次元有効応力解析の実地盤に対する適用性" 日本建築学会構造系論文報告集. 443. (1992)
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[Publications] 時松 孝次: "液状化による地盤と構造物の挙動及び被害" シンポジウムーウォ-タ-フロントにおける地震動特性と地盤に関わる諸問題. 31-36 (1991)