1990 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス合金における中範囲規則構造の生成・成長過程の高分解能電顕による研究
Project/Area Number |
02452232
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
弘津 禎彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70016525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10183162)
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Keywords | アモルファス合金 / 超高速急冷 / 中範囲規則構造 / 高分解能電顕 |
Research Abstract |
代表的アモルファス合金であるFeーB,PdーSi合金を用い、それらの中範囲規則構造の生成・成長の過程を高分解能電顕法、マイクロビ-ム電子回折法などにより詳細に調べることを目的している。本年度は、PdーSiアモルファス合金についての研究を行った。 (1)ビ-ムスパッタ法によるPdーSiアモルファス合金の作成と構造解析 Arビ-ムスパッタ装置により、岩塩、MgO基板でのPd_<80>Si_<20>合金膜の作成を行った。室温ならびに低温(-80℃)基板上へのPdーSiスパッタにより、アモルファス構造膜が得られるが、高分解能観察の結果、室温基板では、多くの中範囲規則構造(fccーPd構造)が見られるが、低温基板の場合には、ほとんど観察されず、むしろ、原子がランダム最密充填(DRP)した構造に近い。中範囲規則構造モデル、DRP構造モデルを計算機により作成し、高分解能電顕像のシミュレ-ションを行った。 (2)超高速回転ロ-ルの製作、液体急冷合金の作成 従来の液体急冷法では、ロ-ル最大回転数は5〜6千回転であり、FeーBアモルファス合金などの急冷速度を要する合金の場合には、完全なアモルファス構造が得られているとは言い難い。そこで、本研究では、ロ-ル回転数最高2万回転の超高速ロ-ルの作成を行った。所定の回転数での液体急冷を、FeーB,CuーFe合金により試み、十分な冷却速度が得られることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Hirotsu,K.Anazawa,T.Ohkubo: "High Resolution Electron Microscope Observation of Medium Range Atomic Ordering in an Amorphous PdーSi Alloy" Materials Transactions,JIM. 31. 573-581 (1990)
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[Publications] Y.Hirotsu,K.Anazawa,S.Nagakura: "Structure of SputterーDeposited Amorphous PdーSi Alloy Studied by High Resolution Electron Microscopy" Proceedings of the X II th International Congress for Electron Microscopy(Seattle). 126-12 (1990)
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[Publications] 弘津 禎彦、穴澤 一則: "アモルファス合金構造の高分解能電子顕微鏡観察" 電子顕微鏡. 26. 138-144 (1991)