1991 Fiscal Year Annual Research Report
構造材料の力学的性質に及ぼす粒界及び異相界面構造の効果
Project/Area Number |
02452235
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉永 日出男 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (40005856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
連川 貞弘 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (40227484)
中島 英治 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (80180280)
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Keywords | 粒界 / 異相界面 / 高分解能電子顕微鏡 / ワイヤボンディング / シリコン / アルミニウムー金合金 |
Research Abstract |
単相材料の結晶粒界や複合材料の異相界面は破壊や界面すべりを起こし、材料の力学的性質を劣下させる原因となることが多い。しかし、このような特性は界面の方位関係や材料の作製方法によって著しく異なり、劣下をもたらさない場合もあり、界面の構造と密接に関連していることは明らかである。そこで本年度は共有結合性物質の粉界構造を体係的に理解するため、Siについて粒界構造を高分解能電子顕微鏡を用いて観察を行った。さらに、半導体素子における微小接合界面の観察手段を確立するため、AuーAlワイヤボンディング接合界面の微細組織についても観察を行った。 1.Si:方位制御した〈110〉対称傾角粒界を有する双結晶を用い、粒界での方位差に対応する粒界構造の変化を系統的に観察した。粒界での対応度がよいΣ3やΣ9粒界では、対応格子理論およびO格子理論から予測される粒界転位が導入された構造を有することが明らかとなった。対応度の低い傾角約30^aの粒界では、粒界近傍で原子配列の乱れがあり、粒界の拡張の兆しが観察された。 2.AuーAlワイヤボンディング接合界面:Auワイヤを用いた実用ICのワイヤボンディング部をミクロト-ムを用いた試料作製法で薄膜化させることにより,従来困難であった微小接合部の高分解能観察に成功した。ミクロト-ム法により作成した試料の接合界面には、金属間化合物が形成されていることが知られた。しかし、イオンミリング法により作成した試料では、Ar^+イオン照射によるダメ-ジにより、接合界面近傍が一部非晶質化しており、本来の接合界面の構造を観察するには適さないことが知られた。
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[Publications] 中島 英治,吉永 日出男: "固溶硬化合金の高温変形機構" 九大総理工報告. 12. 355-366 (1991)
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[Publications] 中島 英治,吉永 日出男: "高温における分散強化合金のしきい応力" 鉄と鋼. 77. 1399-1406 (1991)
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[Publications] 連川 貞弘,吉永 日出男: "秀過電子顕微鏡によるTiC0.59長範囲規則構造の同定" 日本金属学会誌. 56. 133-141 (1992)
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[Publications] 土師 宏,三好 康介,守田 俊章,中島 英治,吉永 日出男: "透過電子顕微鏡によるAuーAlワイヤボンディング接合界面の観察" 日本金属学会誌. 56. (1992)
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[Publications] 連川 貞弘,田中 智昭,吉永 日出男: "モリブデン〈110〉対称傾角粒界の微細構造" 日本金属学会誌に投稿中.
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[Publications] S.Tsurekawa;H.Yoshinaga: "GrainーBoundary Structure and HighーTemperature Strength of NonーOxide Ceramics" To be published in proc.of JFCC International workshop on Fine Ceramics. (1992)