1991 Fiscal Year Annual Research Report
粒界設計制御工学的手法にもとづく脆性材料の強靭化に関する研究
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02452241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 忠雄 東北大学, 工学部, 助手 (40005327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 洪 東北大学, 工学部, 教授 (30005243)
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Keywords | 粒界設計制御工学 / 粒界性格分布 / 脆性材料の強靭化 / 先端高温材料Ni_3Al / 磁場中焼鈍効果 / 粒界脆性制御 / 高性能磁性材料Feー50%Co合金 / 規則合金・金属間化合物 |
Research Abstract |
平成3年度においては、当初の計画に従い、顕著な脆性のために開発の遅れている光端高温材料の一つであるNi_3Al,および先端磁性材料の一つであるFeー50%Co合金の二種類の規則合金・金属間化合物に対して粒界設計制御に基づく脆性材料の強靭化の研究が行なわれた。その結果、次のような重要な知見が得られた。 (1)従来、ボロン(B)を添加せずには常温延性が得られないと一般に認識されてきたNi_3Alにおいて、帯溶融法を用いた一方向凝固によりボロン(B)を添加せずに50%以上の常温延性が得られ,これが粒界破壊に対して抵抗の大きい低エネルギ-粒界、とくに低角度粒界が高頻度に導入されることによることが粒界性格分布の調査によって明らかにされた。さらにこの高頻度の低エネルギ-粒界の存在は1300℃の高温度においても安定であることが確かめられた。また、常温延性の一方向凝固試料でも加工熱処理すると延性が失われ、それが粒界破壊に対して抵抗の小さい高エネルギ-・ランダム粒界の存在によることも明らかにされた。本研究により、粒界性格分布の制御を行うことによりボロン(B)と添加せずに延性および熱的安定性の高い,一方向凝固Ni_3Al多結晶材料の開発が可能であることが明らかにされた。 (2)初年度に購入し本年度に完成した磁場中焼鈍装置を用いて,B2型の規則合金であるFeー50mol%Co合金の急冷凝固薄帯試料を,15Kocの磁場中で規則一不規則変態温度の上下の温度の下で焼鈍を行い,それらの試料の粒界性格分布の調査を行った。その結果,磁場作用により粒成長が抑制されること,また粒界方位差5゚以下の低角度粒界の存在頻度が高められることが明らかにされた。磁場中焼鈍が強磁・規則一不規則合金の粒成長および粒界性格分布の制御に有効であることが明らかにされた。
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[Publications] Tadao WATANABE: "Grain Boundary Design and Grain Boundary Character Distribution(GBCD)in Textured Polycrystalline Materials" Textures and Microstructures. 14〜18. 739-744 (1991)
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[Publications] 渡辺 忠雄: "結晶界面の性格・構造と性質の相関の材料設計への応用" 日本金属学会会報,特集号. 31. 138-145 (1992)
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[Publications] Tadao WATANABE: "Grain Boundary Design for Advanced Materials on the Basis of the Relationship between Texture and Grain Boundary Character Distribution(GBCD)" 米国金属学会シンポジウム会議録 Textures and Microstructures. 特集号. (1992)
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[Publications] 渡辺 忠雄: "粒界設計制御にもとづく先端材料開発への道.…マイクロマシン材料から超電導材料まで…" 日本材料学会誌「材料」. 41. (1992)
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[Publications] Tadao WATANABE: "Toughening of Brittle Materials by Grain Boundary Design and Control." 第6回粒界・異相界面に関する国際会議(基調講演,1992年6月,ギリシヤ)会議録,予定. (1993)