1991 Fiscal Year Annual Research Report
金属・セラミック無反応相界面の非平衡組成誘起高温塑性の研究
Project/Area Number |
02452242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 実 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30134646)
須賀 唯知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40175401)
市野瀬 英喜 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30159842)
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Keywords | ニッケル・窒化ケイ素接合 / 銀・ビスマス系超伝導体接合 / 金属・セラミックス接合界面構造 / 高分解能電子顕微鏡観察 / 金属・セラミックス無反応相界面 / 超伝導特性 / 拡散層 |
Research Abstract |
反応相層を作らない金属・セラミックス接合界面の非平衡組成挙動の研究は本年度は以下の2つの接合系を中心に行なわれた。 Ni/Si_3N_4:窒化ケイ素のポリタイプであるαーSi_3N_4とβーSi_3N_4とを用いて、微細構造を高分解能電子顕微鏡を用いて解析した。この結果、銀と窒化ケイ素との間のエピ界面として稠密面に平行で、かつその面内の稠密原子列が1つあるいは複数系平行なものが多いことが示された。界面はいずれも反応相の層をもたない。走査電子顕微鏡を用いた非平滑接合体ニッケル側表面の観察は接合界面から数十μm離れた領域に無数の穴を見出した。これは反応相がないためにセラミックス相の金属への分解溶出が大規模に生じ、このうち原子間拡散のため長距離拡散する窒素が、冷却時は固溶度の低下に伴って析出し、ニッケル表面より放出されたものであることが判明した。ニオブ・アルミナ系におけるアルミナの戻り析出とは異なる反応が生じていると結論された Ag/Bi_2Sr_2Ca_2Cu_3Ox系:この糸はビスマス系超伝導体を線材として使用する上で、酸化物超伝導体の力学的性質の低さを補うために行なわれているテ-プ材の基本界面である。銀のさやは超伝導酸化物を外からの衝撃から護るだけでなく、酸化物が割れたとき超伝導電流をバイパスさせて線材の爆発を防ぐ働きをもつ。このためには超伝導酸化物との界面が強固でなければならない。接合界面の高分解能電子顕微鏡観察はこの界面が反応相層のない直接接合界面であることを示したが、あまり温度をあげると超伝導酸化物相の劣化をもたらすことが示された。この界面を線材の内部にとりこんだかたちの銀・ビスマス系極微細粒複合体線材の作成実験は銀体積比が10%辺りで超伝導特性Tc、Jcおよび室温強度の極大を示し、金属・セラミックス界面をなかにとりこんだ材料開発も有意義なことを示した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Ishida: "Design of Structural Defects to Relieve Thermol Stress" Acto.Metalluogica ef Materialia. Supplemeat. (1992)
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[Publications] Y.Ishida,T.Suga,J.Wang: "Chemical Relief of Thermal Stress ayaufal Ceramic Joined Interface" Analytical Sciences. 7(Suppl.). 1231-1234 (1991)
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[Publications] 木塚 徳志,市野瀬 英喜,石田 洋一: "金属・セラミックナノ結晶被合体の作製と高分解能電子顕微鏡による界面観察" 日本金属学会誌. 55. 227-228 (1991)
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[Publications] 木塚 徳志,市野瀬 英喜,石田 洋一: "金属・セラミックナノ結晶被合体n(AgーMgO)の熱的安定性" 日本金属学会誌. 55. 488-489 (1991)
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[Publications] Y.Ishida,J.Maqszak,T.Kizuka,&H.Ichinose: "Stracture and Properties of a Bi_2Sr_2Ca_2Cu_3OxーAg Nanocomposite" Physica C. 190. 67-69 (1991)
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[Publications] 石田 洋一,市野瀬 英喜: "結晶界面の原子的構造とその利用" 日本金属学会報. 31. 94-101 (1992)
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[Publications] 石田 洋一(分担執筆): "表面・界面の超精密創成評価技術" 日本学術振光会・結晶加工と評価技術第145委員会, 422 (1991)
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[Publications] 石田 洋一(編集委員長.分担執筆): "先端材料評価のための電子顕微鏡技法" 日本電子顕微鏡学会関東支部, 382 (1991)