1990 Fiscal Year Annual Research Report
反応性プラズマ溶射法による材料表面のハイブリッド化
Project/Area Number |
02452249
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡根 功 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80169127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 昌宏 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (80173368)
梅本 実 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90111921)
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Keywords | 直流プラズマ溶射 / 高周波プラズマ / 反応性プラズマ溶射 / 窒化物系セラミックス / 炭化物系セラミックス |
Research Abstract |
セラミック溶射皮膜は、溶射中における変質、たとえば相変態、熱分解等によりセラミックス本来の性能が十分に発揮されず、さらに溶射皮膜の形成不可能な場合もある。本研究は、今まで実用不可能とされていたセラミック溶射皮膜、たとえば窒化物・炭化物系セラミック皮膜作成のためのプラズマ溶射法開発に対する基盤確立を目的とした。平成2年度では、主として、窒化物・炭化物系セラミック溶射粒子生成に対する適正な反応性プラズマ雰囲気を検討した。研究の経緯並びに新たに得られた知見を下記に示す。 既存の減圧プラズマ溶射装置(最大出力:5KW)及び微粒末送給装置を用い、微細な純けい素粉末(粒径:0.5〜1.0μm)を溶射素材粒子として、窒素プラズマ雰囲気中で溶射を行い、飛行溶射粒子の反応状況を種々検討した。この結果、窒化けい素生成に対する歩留りは、通常の粒度(粒径:20〜44μm)を有する純けい素を溶射素材粒子とした場合に比べ、窒化けい素生成に対する歩留りの向上が期待出来ることが判明した。しかし、溶射素材粒子の粒度を微細化するのみでセラミック溶射粒子生成効率の飛躍的な向上を望むのは無理で、現状の直流プラズマ雰囲気よりも、さらに高い反応性を有するプラズマ雰囲気を創成することが最少限必要であることが明らかとなった。このため、既存の減圧直流プラズマ装置(5KW)及び高周波プラズマ装置(4MHz,5KW)にプラズマア-クを重畳し得る高電圧溶射システム(平成2年度購入)を付加した改良型減圧プラズマ溶射装置を設計・試作した。また、本研究で使用した粉末送給装置は、局部流動床方式を採用した国内外で唯一の微粉末専用装置であるが、その機構上、粉末の流動性によっては連続定量送給されない場合がある。このため、本研究の目的達成には、この点も改善する必要があることも明らかとなった。
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