1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02452252
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
太田 利彦 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (60213732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和知 孝雄 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (30073886)
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Keywords | 超高分子量ポリエチレン / 高強度 / 高弾性率 / ゲルプレス法 / 超延伸 / 最大延伸倍率 |
Research Abstract |
ゲルプレス法における超延伸に及ぼすプレス圧(10ー100kg/cm^2)及び残留溶媒(3ー4wt%)の影響を明らかにしようとして、以下の知見を得た。1)ゲルプレス膜の応力ー伸長率曲線(100℃)に及ぼすプレス圧の影響は、破断伸度(最大延伸倍率)にのみ認められ、最大延伸倍率はプレス圧の増大により増大する。2)延伸による強度、弾性率の上昇挙動へのプレス圧の影響は認められなかった。3)ゲルプレス膜作製時の圧縮ー乾燥過程でのデカリン除去によるポリマ-密度の上昇効果が両過程で等しく、乾燥後のポリマ-密度はプレス圧に関係なくほぼ一定の値になる。従って、ゲルプレス膜の延伸応力、延伸による強度、弾性率の上昇動がプレス圧に関係なく、等しくなると結論された。4)最大延伸倍率へのプレス圧の影響は、未延伸膜でのラメラ面の配列度に依存すると考えられた。5)加熱乾燥によりデカリンを完全に除去したゲルプレス膜の最大延伸倍率は、前項までの室温乾燥膜のそれの約56%にまで低下するが、延伸による強度、弾性率の上昇率は室温乾燥膜により高く、その到達強度、到達弾性率は室温乾燥膜に匹適するようになる。6)加熱乾燥膜の最大延伸倍率は、延伸応力の比から求まる最大延伸倍率とよく一致するので、加熱乾燥膜においても室温乾燥膜の超延伸機構が保持されていると言える。7)エタノ-ル抽出ー乾燥によりデカリンを完全に除去した未延伸膜の最大延伸倍率は、室温乾燥膜の約37%にまで低下し、その到達弾性率は室温乾燥膜の約40%に過ぎない。この理由として、ポリエチレンに親和性のあるデカリンを親和性のないエタノ-ルに置き換えて乾燥することにより、未延伸膜におけるラメラ間の接着性が低下することが推論された。
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[Publications] 太田 利彦: "ゲルプレス法における超延伸機構〔1〕延伸による高性能化に及ぼす溶液濃度,溶液冷却速度の影響" Polymer preprint,Japan. 40. (1991)
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[Publications] 河口 昭義: "イメ-ジングプレ-トを用いたX線回折法による超高分子量ポリエチレンの延伸過程の研究" 平成3年度繊維学会年次大会予稿集. (1991)
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[Publications] T.Ohta: "The studies on ultraーdrawing behavior of UHMWーPE in gelpress method.(1)The influence of solution concentration on the incressing rotes of strengths and moudli by drawing." Polymer.
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[Publications] T.Ohta: "The studies on ultraーdrawing behavion of UHMWーPE in gel press method.(2)The influence of cooling rates of solution on the increasing of strength and moduli by drawing." Polymer.