Research Abstract |
実験試料として豊浦標準砂及び琵琶湖砂を各1ton購入又は採取し,洗浄,振り分けを行い,その物理的性質を明らかにした。また,一次元浸透破壊実験を行い試料砂の浸透破壊特性(浸透破壊に対する安定性),透水特性を明らかにした。これに関してはさらに補充実験を行い,口頭発表を行い,雑誌論文等に投稿する予定である。一次元浸透破壊実験においては,浸透時及び破壊時に発生するAE特性を調べた。土粒子の移動によって生じる音は非常に小さく,周波数が低いと考えられるが,今回用いているAEセンサ-ではピックアップが困難であった。今後,集音装置,ウェ-ブガイドの利用,周波数特性の異なるAEセンサ-の利用等に関して検討を行い,一次元浸透破壊時に発生するAE特性について明らかにしてゆく予定である。二次元浸透破壊実験に関しては,今回とくに,締切り矢板前後に生じる浸透流について予備実験を行った。現有する二次元浸透破壊実験装置は比較的大きなものであり,一回の実験に約1tonの大量の砂試料が必要である。本年度は,本研究の初年度であり現場の砂試料の採取,洗浄,振り分け,実験装置の組立て等に時間を要し,予定通り研究が進まなかった。実験装置の組立て,試料砂の準備はほぼ完了し,今後,精力的に二次元浸透破壊実験を行う予定である。 さて,二次元地盤の浸透破壊理論は,これまで多数提案されており,したがって,多数の関連文献が存在する。本年度は,それらの文献を多数収集し,その分類,整理を行った。その成果について,今後,口頭発表を行い,雑誌論文として投稿する予定である。 また,実際の現場において問題となった,水替え掘削時のパイピング発生事例について,その解析結果を学会で口頭発表した。本問題に関しては,今後さらに解析,検討を加え,雑誌論文に投稿する予定である。実地盤の浸透破壊事例として,今後,さらに考察を進める必要がある。
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