1990 Fiscal Year Annual Research Report
確率的推論と論理的推論の統合による高次パタ-ン認識・理解方式の研究
Project/Area Number |
02452281
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堂下 修司 京都大学, 工学部, 教授 (00025925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 勇人 京都大学大型計算機センター, 助手 (70212925)
北澤 茂良 静岡大学, 工学部, 助教授 (00109018)
西田 豊明 京都大学, 工学部, 助教授 (70135531)
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Keywords | 確率的推論 / 論理的推論 / 音声認識 / 自然言語理解 / ベイズ識別器 / HMM / ATMS / 概念ネットワ-ク |
Research Abstract |
初年度である平成2年度では、本研究で用いる2つの推論方式、即ち、アルゴリズムや規則などによる記号操作としての「論理的推論」と、しかるべき距離位相尺度に基づく「確率的推論」を比較・考察してとりまとめた上で、高次パタ-ン認識・理解系の各部の基本的処理方式を定めた。 1.音声認識部:局所的パタ-ンを高精度に分類するベイズ識別器と、概略をとらえるHMMとを統合した確率的推論に基づく音素認識器を構築し、84.0%の音素認識率を達成した。この音素認識器を連結して連続音声に適用するにあたって、ベイズ識別器の局所的特徴に関するスコアとHMMの大局的特徴に関するスコアの統合方式の検討を行なった。そして、48名の話者により発声された488単語に対して、83.8%の認識率を得た。 2.言語解析部:音声認識部で生じる誤りを含む音素列から最尤解釈を得るパ-サを開発した。まず、確信度の高い断片を解析し、次に、その処理結果を基に他の断片に対して可能な構文構造と意味構造を予測する。そして、この予測情報を利用して、入力誤りを修正し最尤解釈を出力する。解析の過程で得られた言明と仮定の確からしさに関する情報はATMSによる論理的推論で管理され、また確率的推論により全体の処理が確からしい方向へ誘導される。 3.概念形成部:音声によるユ-ザのスケジュ-ル管理というタスクを設定し、概念パタ-ンを形成した。本タスクにおける重要な単語を概念ネットワ-クとして管理する機構を作成した。そして、音声認識処理の結果得られる単語ラティスから重なりのないように重要単語(主に名詞と動詞)を複数取り出し、それらを概念ネットワ-クへ入力して、活性伝搬した後に意味候補となり得るものをとりだす方式を提案した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 劉 学敏,西田 豊明,堂下 修司: "統合パ-サによる統合的自然言語解析" 情報処理学会論文誌. 31. 1293-1301 (1990)
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[Publications] 河原 達也,堂下 修司,北澤 茂良: "判別分析とHMMの統合による不特定話者子音認識" 電子情報通信学会論文誌. J73ーD2. 1363-1372 (1990)
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[Publications] X.Liu,T.Nishida,and S.Doshita: "A Natural Language Understanding System Based on the Integrated Parsing Engine IPE" Proc.of PRICAI'90. 268-273 (1990)
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[Publications] T.Kawahara,T.Ogawa,S.Kitazawa,and S.Doshita: "Phoneme Recognition by Combining Bayesian Linear Discriminations of Selected Pairs of Classes" Proc.of International Conference on Spoken Language Processing. 7.8 (1990)
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[Publications] 劉 学敏,西田 豊明,堂下 修司: "統合パ-サによるノイズを含んだ文の理解" 情報処理学会自然言語処理研究会報告. 79.2 (1990)
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[Publications] 荒木 雅弘,斎藤 隆,佐藤 研治,西田 豊明,堂下 修司: "対話の構造と単語の概念を利用した発話の理解" 第42回情報処理学会全国大会論文集. 3. 61-62 (1991)