1992 Fiscal Year Annual Research Report
軽水炉燃料要素中のトリチウムインベントリーと冷却水へのトリチウム移行量の評価
Project/Area Number |
02452295
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉崎 昌和 九州大学, 工学部, 教授 (10037905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 雄治 九州大学, 工学部, 助手 (80218487)
橋爪 健一 九州大学, 工学部, 助手 (70243912)
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Keywords | ジルコニウム / ジルカロイ / 酸化腐食 / 拡散 / 熱拡散 / トリチウム / 水素同位体 |
Research Abstract |
本年度は下記の2項目に関する実験的研究と国際会議での研究発表および3年間の取りまとめの研究成果報告書の作成を行った。 (1)ジルカロイ合金の高温高圧水による初期酸化腐食の際に水素が吸収される機構を詳細に調べた。試料としては次の3種類の熱処理を行った。(1)βー相より急冷、(2)αー相で焼鈍、(3)βー相より徐冷。実験は400℃および480℃で水蒸気により酸化を行い、その際吸収される水素量を定量分析した。その結果、析出物の全く無いβー相から急冷した試料の水素吸収量が最も少ない傾向を示すことを見いだした。この結果より水素吸収の経路は析出物の存在と密接に関係していることを結論した。しかし、析出物自身が水素吸収の経路となっているのか、または析出物が形成する異相境界が吸収経路となっているのかは特定できなかった。これに関しては、今後トリチウムオートラジオグラフィーを用いて研究を行って行く予定である。 (2)ジルコニウム中のトリチウムの拡散係数を行った。トリチウムは原子炉照射により^6Li(n,α)T反応を用いて試料中に打ち込んだ。拡散焼鈍後のトリチウムの分布を測定することにより、拡散係数の測定を行った。この結果を昨年度測定を行った軽水素の結果と比較することにより、ジルコニウム中の水素同位体の拡散係数の同位体依存性は余り大きくないことを結論した。 (3)平成2年度に行ったジルコニウム中での水素同位体の熱拡散現象に関する結果をまとめて、“拡散に関する国際シンポジウム"(平成3年9月、京都で開催)で発表した。 (4)3年間の研究成果を取りまとめて、報告書を作成した。
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Research Products
(1 results)