1990 Fiscal Year Annual Research Report
閉管路を用いた混合砂礫の運搬・堆積機構に関する研究
Project/Area Number |
02452296
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 宏 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (20015986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊勢屋 ふじこ 上武大学, 商学部, 助教授 (00193384)
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Keywords | 閉管路 / 混合砂礫 / 粒径による分級現象 |
Research Abstract |
1)急勾配の砂礫流に関する現地調査(大井川上流井川演習林、京大防災研究所焼岳砂防観測所および富士山大沢川で実施)と混合砂礫の流送実験(米国農務省のRedwood Sciences Laboratoryの水文研究官、T.Lisle博士と実施)とによって、乾燥した砂礫が作る谷の勾配は、砂礫の量にかかわらず、一定の勾配(安息角)であること、ところが、水を伴った砂礫の流れは、乾燥状態での安息角(35度前後)と比較すると極めてゆるい勾配、すなわち、水で飽和した砂礫の安息角(20度前後)に相当する谷を形成することが明らかになった。さらに、水を伴う流れでは、粒径による分級現象が顕著に生ずること、それが砂礫の流れの性質や結果としての地形に反映されることが明らかになった。 2)これらの研究成果を今後究明するために閉管路を設計し、製作した。既設の大型水路の砂礫供給装置を活用することによって、循環方式ばかりでなく、給砂方式による実験も可能となった。鋼材の切断、溶接などを主とする閉管路の製作には水理実験センタ-のスタッフや数名の学生・大学院生の協力を得た。閉管路の設計にあたっては、京大防災研究所の江頭助教授とMITのJohn Sothardジョン・サザ-ド教授との討議が極めて有益であった。サザ-ド教授とは、閉管路を用いた混合砂礫の流送実験を今後継続的に実施するために、日本学術振興会に日米共同研究を申請した。我々の申請は採択されなかったものの、米国側の申請は採択され、1991年度から2年間、米国側研究者は来日して、共同実験を実施することになった。来年度以降の科学研究費を有効に活用したい。
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