1991 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
02453004
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
内藤 周弌 東京大学, 理学部, 助教授 (20011710)
|
|---|
| Keywords | 触媒反応 / 表面構造 / マイクロ波分光法 / 水素交換反応 / 反応機構 / 担持触媒 / 金属カルボニルクラスタ- |
|---|
| Research Abstract |
前年度に引き続き、高感度シュタルク変調マイクロ波分光器の性能向上を図った。各部品の再検討及び、AD変換によるパソコンへのデ-タの取り込み、積算を可能にした結果、S/N比を2桁向上させることが出来た。又、測定の迅速化を図るため、触媒反応系とマイクロ波セルとのオンライン化を実現させた。
単結晶モデル触媒上でのプロ-ブ反応の検討は前年に引き続き、Pd/TiO_2(111)及びPd/TiO_2(100)での実験を行っている。分光器の感度向上により反応温度を約100K低下させることが出来、Pd/SiO_2粉末触媒での反応温度(200〜300K)に近付きつつある。来年度にはまとまった結果が報告出来るものと期待される。
一方、金属原子数個から構成される金属クラスタ-錯体は、金属表面との構造上の類似性から、触媒としての反応性に興味が持たれてきた。本年度はRhやRuの金属カルボニルクラスタ-錯体をアルミナ担体に固定化したものを金属表面のモデル触媒とし、(1)C_3H_6ーC_3D_6及び(2)C_3H_6ーD_2反応をプロ-ブ反応として活性点構造を検討した。構造と反応性の相関を見るためRh_2(CO)_4、Rh_4(CO)_<12>、Rh_6(CO)_<16>という金属骨格の異なるクラスタ-を用いた。固定化に伴いRh金属当り1〜2個のCOが脱離するが、COガスを再導入すると元のクラスタ-と類似の赤外スペクトルが観測されることからアルミナ上でクラスタ-はその金属骨格を保ったまま固定されていると推定出来る。ところがマイクロ波分光法で反応中間体の構造を検討した結果、クラスタ-原子数2〜6の間では全く同一の機構で反応の進行していることが結論された。このことはクラスタ-上の活性点はRh原子1〜2個で構成されており、それ以上の高次構造を必要としないことを示唆している。一方、Rh金属上での反応中間体や反応機構はクラスタ-の場合とは著しく異なった。最大の違いは(1)反応と(2)反応の速度差の現れ、金属上では(2)反応が圧倒的に速いのにクラスタ-上では(1)反応が圧倒的に速くなった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 内藤 周弌: "Remarkable Dispersion Effect of TiO_2 Catalyst on Silica Support in Propene Deuterium Addition and Exchange Reaction" Chemistry Letters. 2145-2148 (1990)
-
[Publications] 内藤 周弌: "Effect of Hydrogen Pretreatment on the Mechanism of Deuterium Addition and Exchange of Propene over NiーCu Alloy Catalysts" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 64. 1253-1260 (1991)
-
[Publications] 内藤 周弌: "Mechanistic Study of the Hydroformylation of Propene over SilicaーSupported Rh and Pd Catalysts" Journal of Catalysis. 130. 106-115 (1991)
-
[Publications] 内藤 周弌: "Marked Support Effect of Dispersed ZrO_2 Catalysts in PropeneーDeuterium Addition and Exchange Reaction" Proceeding of the 10 th International Congress on Catalysis,1992,Budapest,Hungary. (1992)
-
[Publications] 内藤 周弌: "Marked Change of the Mechanism of PropeneーDeuterium Addition and Exchange Reaction over ZrO_2 by Supporting on Silica" Journal of Catalysis. (1992)
