1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02453025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 章 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (70038602)
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Keywords | 機能性材料 / 単環性液晶 / トロポノイド液晶 / 分子運動 |
Research Abstract |
次世代の機能性材料を目指す強誘電液晶などの棒状液晶はコア部として最低2箇の環系を持つことが必要とされている。本研究では、従来の規制概念を覆すことと液晶性発現の機構を調べることを目的として、これまでほとんど例のない単環性液晶の合成に取り組んだ。単環性液晶はコア部の環系が少ないため液晶の粘性を下げるので、応用面からも意義深いと思われる。 基本的な考えとして、液晶状態で分子運動が可能なように2位にエステル置換基を持つトロポノイド1を選んだ。それは、この分子運動によって疑似的に環形成できるので液晶相発現に有利になること、2位の置換基を分子長軸方向に配向させることができると考えたからである。更に、トロポノイドをコア部とする液晶がほとんど知られていないことも動機に一つである。実際に、5ーヒドロキシトロポロン2の二つの水酸基の反応性の差を利用して、単環性化合物を合成した。その結果、モノトロピックながら、スメクチック相を示した。 一方、対応するジエ-テル体3は液晶相を示さないことがあり、2位のエステル置換基が重要であることが判明した。液晶状態で分子運動していることは温度可変固体 ^<13>C NMRスペクトルで確認できた。更に、液晶相発現に対するアルキル鎖長の効果を調べるた結果、2位のエステ基のアルキル鎖長が長すぎると、液晶相が発現しなくなった。これは六員環液晶で言われているように、アルキル鎖が長くなると、スメクチック性が向上すること矛盾する。この結果も分子運動が液晶相発現に係わっていることを支持している。アルキル鎖長の効果については、分子運動している部分が長すぎると、層構造を乱すためと考えている。
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[Publications] A.Mori,R.Nimura,H.Takeshita: "Assistance of the Intermolecular Hydrogen bonding on the Appearance of the Smectic C Phase in 2ー(4ーAlkoxybenzoylーoxy)ー5ーalkylaminotropone Liquid Crystals" Chemistry Letters. 77-80 (1991)
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[Publications] K.Kida,A.Mori,H.Takeshita: "The First Synthesis of the RodーType Monocyclic Liquid Crystals with 2ーAcyloxytropone Structure" Molecular Crystals and Liquid Crystals. (1991)
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[Publications] A.Mori,H.Taya,H.Takeshita: "New Liquid Crystals with a Flexible Benzyloxytropone Core" Chemistry Letters. (1991)