1991 Fiscal Year Annual Research Report
サマリウムを用いる中員および大員炭素環化合物の効率的合成法の開発とその応用
Project/Area Number |
02453026
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
稲永 純二 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (50091244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花本 猛士 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20228513)
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Keywords | ヨウ化サマリウム(II) / 中員炭素環化合物 / 分子内環化反応 / ピナコ-ルカップリング / ランタニドトリフラ-ト |
Research Abstract |
本年度は中員炭素環化合物の合成に関し次の三つの環化法を検討した。 1.末端にアルデヒド基を有するハロゲン化アリルのBarbier型反応 1,ωージオ-ル化合物を酸化してジアルデヒド体とした。これにビニルマグネシウムクロリドを作用させてアリルアルコ-ルとした後、水酸基をクロリドに変換した。こうして調製した環化前駆体を高度希釈し、ヨウ化サマリウム(II)のテトラヒドロフラン溶液に滴下したがポリマ-を与えるのみで環化成績体はまったく得られなかった。 2.両末端ジカルボン酸クロリド化合物のアシロイン反応 ヨウ化サマリウム(II)による環化反応を(i)添加物なしで、(ii)HMPA存在下、および(iii)HMPAおよびクロロトリメチルシラン存在下の三つの条件で行ったが、中員環化合物はまったく検出できなかった。 3.両末端がジアルデヒド化合物のピナコ-ルカップリング反応 ジアルデヒド化合物のヨウ化サマリウム(II)による分子内ピナコ-ルカップリングは、シクロデカンジオ-ルを1:1のジアステレオマ-混合物として24%の収率で与えた。興味深いことに、反応系にランタントリフラ-トを共存させると収率は33%に向上し3:1の比で一方のジアステレオマ-を選択的に与えることがわかった。これはまだ初歩的な実験結果であり、この方法に関しては今後さらに詳しい検討を行う予定である。
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