1990 Fiscal Year Annual Research Report
珪酸塩鉱物とくにオリビンの主要,少量陽イオンの席分配と,その温度変化
Project/Area Number |
02453050
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 〓生 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 正幸 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40183032)
木原 國昭 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019503)
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Keywords | オリビン / X線単結晶解析 / ALCHEMI法 / 席占有率 |
Research Abstract |
地球惑星の形成,発達史を推定,研究するため、その構成固体物質、とくに鉱物を物質科学的,鉱物学的手法で研究することは必要不可欠である。 本研究では、石質隕石,地球岩石中の珪酸塩鉱物、また硫化物,硫塩鉱物をとりあげ、鉱物学的,結晶学的手法により、それらの主要成分,少量成分陽イオンの結晶学的非等価な陽イオン席への占有率,席分配を求めることを目的とする。これより、その岩石鉱物の熱史の解明の手がかりを得たい。特にオリビンにおけるMg,Feの主要イオンのみならず、Mn,Ni,Ti等少量陽イオンの2ケの席(M1,M2)への席分配を求めたい。このため、X線単結晶解析法のみならず、電子チャネリング効果を用いた電子顕微鏡によるALCHEMI法により解析をすゝめたい。後者については、実験法,精度,計算法等につき、検討,改良する余地がかなりある。 今年度は、試料の収集,良質結晶の品質検討,X線回折用単結晶の球状整形等、豫備的仕事を主にしてきた。試料オリビンとして、佐賀県高島玄武岩中のもの、鹿児島県隼人のrhyolite中のもの、ハワイSalt Labe CraterのLher20lite中のものをX線写眞法で単結晶の品質を調べた。 他産地のオリビンも調べたがよい単結晶は得られていない。前記産の良質単結晶を一部球状に作成し、四軸自動回折計で反射強度測定を開始した。また、X線法で方位を決め、方位をきめた薄片を作り、更に電子顕微鏡用試料作成を試みている最中であるが、思う様よい試料がつくれない。このALCHEMI用薄片作成法は改良の余地があり検討中である。また加熱炉の調整,マキントツシュの使用は初めた所である。コロラド大学がSmyth教授の金沢訪問,そしてこゝでの席分配の実験上の討論は大変有意義であった。とくに電子顕微鏡の試料台(保持)の差異がはっきりしたし、現保有のものでは能率が悪いので、何とか手をうちたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeo MATSMOTO: "Application of the nonーcharacteristic orbits of the space groups to the derived structure of fluorite type." Acta Crystallographica A,Supplement. A46. C-447 (1990)
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[Publications] Y.Itoh and T.Matsumoto: "Random generation model for statistical distribution on point groups." Acta Crystallographica A,. A47. (1991)
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[Publications] Masaharu Tanemura and Takeo Matsumoto: "On the density of the p31m packing of ellipses." Zeitschrit fur Kristallographie. (1991)