1990 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性第三アリルアルコ-ルの一般的合成法の開発とその応用
Project/Area Number |
02453091
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 史衛 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50016606)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 専太郎 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00201989)
小林 雄一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (90153650)
|
Keywords | 不斉合成 / エポキシアルコ-ル / シャ-プレス反応 / 第三アリルアルコ-ル / ピ-タ-ソン脱離 / 光学活性アルコ-ル |
Research Abstract |
γー位にトリメチルシリル基を有する光学活性アリルアルコ-ルのシャ-プレス不斉エポキシ化反応を用いる光学分割が効率よく進行し、対応するエポキシアルコ-ルのアンチ体を光学純度よく与えることを見出した。このようにして得られたエポキシアルコ-ルを酸化してエポキシケトンに収率よく導いた。エポキシケトンと有機金属化合物の付加反応を種々条件を変え検討したところ、グリニャ-ル反応との反応をテトラヒドロフランを溶媒に用いて行なうと立体選択性高く進行することを見出した。即ち、エポキシ基の立体化学を反映して新しく構築される三級アルコ-ルの立体が高選択的に規制される条件を見出すことができた。付加物はエポキシシランという反応性に富んだ官能基を有しており、次にその反応性を利用し光学活性第三アリルアルコ-ルの合成を検討した。付加物にリチウムアルミニウムハイドライドを作用させエポキシ環を開き、生成したヒドロキシル基を脱離基に変えた後フッ素アニオンを作用させたところピ-タ-ソン脱離反応が収率よく起こり第三アリルアルコ-ルを与えた。得られたアルコ-ルの光学純度は99%ee以上であることを確認した。付加物とトリブチルスズリチウム、ジエチルアルミニウムシアニドあるいはフェニルチオリチウムとの反応は、エポキシ環の開環と引き続くピ-タ-ソン脱離が一度に進行し、γー位にトリブチルスズ基、シアノ基あるいはフェニルチオ基を有す第三アリルアルコ-ルをそれぞれ収率よく得ることができた。以上、従来一般的合成法のなかった光学活性第三アリルアルコ-ルの応用範囲の広い合成法を開発することに成功した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Ito: "Practical Method for Synthesis of Optically Pure Propar Propargylic Alcohols" Tetrahedron Lett.30. 7083-7086 (1989)
-
[Publications] T.Ito: "Synthesis of Optically Active αーTrimethylsilyl △^<α,β>ーButenolides and Their Conversion into Various Butenolides and Saturated γーLactones" Tetrahedron Lett.31. 6399-6402 (1990)
-
[Publications] Y.Kobayashi: "Highly Stereocontrolled Total Synthesis of Leukotriene B_4,20ーHydroxyleukotriene B_4 ,Leukotriene B_3,and Their Analogues" J.Org.Chem.55. 5324-5335 (1990)