1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02453109
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 玲子 九州大学, 工学部, 教務員
石川 雄一 九州大学, 工学部, 助教授 (30184500)
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Keywords | 非水媒体 / 二分子膜 / フッ化炭素アルキル鎖 / 表面張力 / 相転移 |
Research Abstract |
炭化水素系の有機溶媒中で秩序組織集合体を形成させるために、従来の水中の二分子膜形成物質に見ならい、疎媒基と親媒基とからなる両親媒性化合物を計画した。具体的には、炭化水素系化合物との相溶性が低い炭化フッ素アルキル長鎖を二本、疎媒基として持ち、同時に親媒基として、炭化水鎖アルキル(ドデシル)長鎖、オレイル鎖を持つ化合物を分子設計した。研究は、まず疎媒鎖となるパ-フルオロアルキル長鎖の精製から開始した。C_8F_<17>CH_2CH_2OH,C_<10>F_<21>CH_2CH_2OHは、各々減圧蒸留により、C_<12>F_<25>CH_2CH_2OHは、減圧昇華により精製分取した。C_8F_<17>CH_2CH_2OH基をグルタミン酸エステルとし、次いでオレイン酸クロリドヌはラウリン酸クロリドとアミド化する事により両親媒性化合物を調製した。これら二種の化合物のうち、飽和アルキル鎖型の親媒基を持つ化合物は、ベンゼンやシクロヘキサレ等の非極性溶媒に対する溶解度が充分でなく使用不能であった。一方、不飽和アルキル鎖型の親媒基を持つ化合物は先の溶媒中に溶解し、層厚80〜100A^^゚、長さ数μmの巨大な層状会合体を形成することを、電子顕微鏡、光学顕微鏡により認めた。この会合体は、水系の二分子膜と同様な秩序構造を持ち(CD,ICDスペクトル)、相転移現象も示した。また、ベンゼンやシクロヘキサレ-空気界面の表面張力を(30mN/m→15mN/m)フッ化炭素鎖を持つ二分子膜は減少させた。この減少は、水系の会合体形成と同じく膜化合物の濃度関数であり、ある点(CMC)で不連点を示した。この点(CMC)の温度変化から熱力学的な状態について考察が可能であった。非水媒体(非構造化溶媒中)の二分子膜は水系のそれに比較して、エントロピ-的に損失し、エンタルピ-的に安定化している事が判明した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yuichi,Ishikawa;Hisaaki,Kuwahara;Toyoki,Kunitake: "Bilayer fomation in nonーpulan suluent" J.Am.Chem.Soc.,. (1991)