1990 Fiscal Year Annual Research Report
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02453119
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
南條 正巳 東北大学, 農学部, 助教授 (60218071)
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| Keywords | 火山灰土壌 / リン酸イオン / 収着 / 活性アルミニウム / 脱着 / 配位子交換 / 物質収支 / リン酸肥料 |
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| Research Abstract |
火山灰土壌はリン欠乏の克服のために多量のリン施肥が行われ,全リン蓄積量は他の土壌より多い.そのリン蓄積形態は関谷・江川法によればA1型が70ー80%を占め,土壌溶液の分析結果からは非晶質リン酸アルミニウムとの平衡関係が示唆された.また,筆者はこれまでに赤外線吸収スペクトルによって,非晶質リン酸アルミニウム類似物質の生成することを示した.本研究では非晶質リン酸アルミニウム類似物質の生成にいたる過程に固ー液間でどのような物質収支が起こり,また,リンの脱着過程ではどのような現象が起こるかを調べた.
試料は味噌土の粘土画分(MS).茨城県のアロフェン質黒ボク土の粘土画分(YT),岩手県の非アロフェン質黒ボク土の粘土画分(RK)を用いた.MS,YTは腐植の分解処理を行わず,直接超音波処理とpH調整によって得た.MS,YTのNaCl中におけるリン収着過程でpHの上昇,ケイ酸の放出,Na^+の吸着が起こり,YTではさらに有機物も放出された.RKでは非アロフェン質であるためにケイ酸の放出は極めて少なかったが有機炭素の放出量.Na^+吸着の増加がMS,YTよりも多かった.これはRKの活性アルミニウムの主ま形態が腐植アルミニウム複合体であるためである.また.これらの反応は荷電収支の式から.[収着リン酸イオンの負荷電=pH上昇に伴う固相のOH^-消費量+液相のpH上昇に関係したOH^-+Na^+保持量増加分]で表現することができた.ケイ酸の放出量はイオンとして起こったとしてもそのpKは9.4であり,加水分解されてOH^-放出量として計測される.また有機炭素放出量はリン収着量1モル当り約1モルであり,放出される分子はフルボ酸や腐植酸類似のものであるとするとアルミニウムと錯化していたカルボキシル基の量は平均,炭素15個に1個であり,リン収着量当りにすればせいぜい7%と少ない.
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[Publications] M.NANZYO: "Effects of organic reducing agents on fhe Psorpion Products formed on noncrysta Talline hydrous Fe oxide" Soil Science and Plant Nutritision. 36. 511-514 (1990)
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[Publications] 南條 正巳・牧野 知之,庄子 貞雄・高橋 正: "スメクタイト質土壌のリん酸吸収系数における交換性イオンの役割ー八郎潟干拓地主壌について" 日本土壌肥料学雑誌. 62. 41-48 (1991)
