1991 Fiscal Year Annual Research Report
微生物のグルタチオン代謝関連酵素およびその遺伝子に関する基礎および応用研究
Project/Area Number |
02453129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 英彦 京都大学, 農学部, 教授 (70027192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 俊博 京都大学, 農学部, 教務職員 (30135553)
鈴木 秀之 京都大学, 農学部, 助手 (10202136)
山本 憲二 京都大学, 農学部, 助教授 (70109049)
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Keywords | グルタチオン / グルタチオンSートランスフェラ-ゼ / γーグルタミルトランスペプチダ-ゼ / γーグルタミルトランスフェラ-ゼ / 解毒 / Escherichia coli / Issatchenkia orientalis |
Research Abstract |
(1)E.colikー12は、低温(20℃)培養でγーグルタミルトランスペプチダ-ゼ(GGT)の高活性を示す。その機構を解明する目的で、野生株およびGGT遺伝子(ggt)のクロ-ニング株を20℃、37℃、42℃で培養し、ウエスタンおよびノザンブロッテングを行い、GGTの低温依存性発現が、転写段階で調節されているとの結論を得た。GGTの低温依存性発現はggtのプロモ-タ-部分の機能の結果と考えられ、この部分の除去及び高発現プロモ-タ-への置換を種々の方法で試みて来たがいまだに成功していない。 (2)活性中心と予測されるアミノ酸残基のひとつArg571を部位特異的によりAlaに変換したところ、変異GGTは活性を持たず、またプロセッシングを受けずにプロGGTのままでペリプラスムに局在していることが明らかになった。 (3)E.coliKー12からGGTを精製し、X線解析に適したGGT結晶の作成条件を検討し、2×0.2×0.2mmの棒状結晶、および2×1×0.2の板状結晶を得るに到っている。今後これらの結晶を用いて、X線解析を行っていく予定である。 (4)グルタチオン抱合体をさらに代謝分解する酵素として、金属依存性のカルボキシペプチダ-ゼ様酵素の関与を明らかにし、そのIssatchenkia orientalisからの精製、性質の解明を行っている。 (5)さきに調製したグルタチオンSートランスフェラ-ゼ(GST)のcDNAを、プラスミドpYM2のEcoRIサイトに挿入、この組換えベクタ-を用いて、S.cerevisiae/EH13ー15の形質転換を行った。得られた形質転換株は、GSTを発現し宿主株の約15倍の活性を示した。 (6)細胞分画および、凍結切片法一免疫電顕により本酵素がI.orientalis細胞の表層に局在することを確認した。
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[Publications] H.Tamaki,H.Kumagai,Y.Shimada,T.Kashima,H.Obata,C.Kim,T.Ueno and T.Tochikura: "Detoxification metabolism of oーdinitrobenzene by the yeast Issatchenkia orientalis" Agric.Biol.Chem.55. 951-956 (1991)
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[Publications] H.Tamaki,H.Kumagai and T.Tochikura: "Nucleotide sequence of the yeast glutathione Sーtransferase cDNA" Biochimica et Biophysica Acta. 1089. 276-279 (1991)
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[Publications] J.O.Claudio,H.Suzuki,H.Kumagai and T.Tochikura: "Excretion and rapid purification of γーglutamyltranspeptidase from Escherichia coli Kー12" J.Ferment.Bioeng.72. 125-127 (1991)