1990 Fiscal Year Annual Research Report
ハブ毒ホスホリパ-ゼA_2の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
02453147
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 隆 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80030055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 玉一 名古屋大学, 工学部, 教授 (10029936)
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Keywords | ホスホリパ-ゼA_2 / 塩基性タンパク質 / 結晶構造解析 / 結晶化 / 種結晶法 / X線 / ハブ毒 |
Research Abstract |
本研究では、ハブ毒ホスホリパ-ゼA_2(PLA_2)の構造と機能の解明を目的として、その構造解析を重原子同型置換法により進めた。 PLA_2は通常の結晶化では双晶しか得られないため、種付け法による繰り返し結晶化を行う種結晶法により、良質の学結晶作成法を確立した。 1.ハブ毒PLA_2の結晶を大きく成長させるための条件を検討し、新たに種結晶の洗浄技術を確立した。既に、有効と思われるK_2PtCl_4ー置換体と、Sm(NO_3)_2ー置換体を得ていたが、調整条件の困難さや同型性に問題があった。そこで再度、重原子同型置換体の探索を行い、解析に非常に有効と思われるK_3OsClー置換体(Os置換体)を見いだし、X線デ-タ収集を行った。 2.当研究費により購入したグラフィック・ワ-クステ-ション(VAXー3100)に、タンパク質構造解析用ソフトウエア,PROTEiN,などを導入し、PLA_2の重原子置換体結晶のX線デ-タ処理と同型置換法による構造解析を行った。 3.PtやSm置換体と比べて、Ds置換体は同型性も良く、6A^^°分解能の差パタ-ソン図より重原子位置を決定できた。PROTEiNでの精密化の結果も非常に良いことから、現在も継続して高分解能のX線デ-タを収集及び処理中である。 4.Os置換体単独の結果を用いて、6A^^°のフ-リエ図を計算し分子境界を決定した。今後、より高分解能のフ-リエ図を計算し、PLA_2二分子のトレ-スと分子構造モデルの作成を進めていく予定である。本研究結果は、投稿準備中である。 5.ハブ毒PLA_2と同様の機能を示すハブ毒中の塩基性タンパク質の結晶化についても検討し、結晶化時の添加剤の効果についての興味ある結果を得た。これについても投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Yamane: "Crystal Structure of Phospholipase A_2 from the Venom of Trimeresrus flavoviridis(Habu Snake)" J.Biochem.(1991)
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[Publications] A.Suzuki: "The Effects of organic additives in the Crystallization of Proteins" J.Biochem.(1991)