1990 Fiscal Year Annual Research Report
全重水素化リン脂質ミセルを用いた膜結合性ペプチドの構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
02453152
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
稲垣 冬彦 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 室長 (70011757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楯 真一 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (20216998)
神田 大輔 (財)東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (80186618)
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Keywords | 全重水素化リン脂質ミセル / NMR / 膜融合性ペプチド / 構造ー機能相関 |
Research Abstract |
全重水素化ドデシルホスホコリンの合成については、既に申請者らの確立したプロトコ-ルに従っておこなった。500mgの全重水素化ドデシルホスホコリンを得た。インフルエンザウイルスのN末端膜融合性ペプチドおよび膜融合能の異なるペプチド誘導体の合成については、アプライドバイオシステム社製のペプチド合成機を用いて合成をおこない、目的とするペプチド約20mgを得た。膜融合活性をpH依存性を円二色性分光計および螢光分光光度計を用いて調べ、NMR実験をおこなうための実験条件の検討をおこなった。これらのペプチドをミセルに埋めこみ構造を検討した。膜合能のあるペプチドはヘリックス構造をとること、膜結合能を失うとともにヘリックス構造がくずれることを明らかにした。上皮成長因子およびLHRH、活性アナログ、非活性アナログのミセル結合状態における構造を検討した。ニ次元NMR、円偏光二色性、螢光スペクトルの測定をおこない、NMRより求めた距離情報に基づき、ディスタンスジュオメトリ-の計算をおこないミセルに結合したペプチドの立体構造を明らかにした。上皮成長因子のC末端テ-ル部分はミセルに結合すると両親媒約な構造をとる。これよりEGFファミリ-に保存されているものの従来役割の不明であったL47が両親媒的な構造をとる上で必須であることがわかった。またLHRHと活性、非活性アナログは水溶液ではランダムな構造をとるが、ミセルにとりこまれると活性アナログはタ-ン構造、非活性アナログはヘルカルな構造をとることが明らかになった。ミセルを用いたNMR構造解析がドラッグデザインに有効なことを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] D.Kohda,F.Inagaki: "Structure of mouse EGF bound to micelles"
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[Publications] F.Inagaki,K.Kawaguchi: "Structureーfunction relationship of LHRH and its analogs"