1991 Fiscal Year Annual Research Report
クラウンエ-テル錯体の生成反応の研究とその同位体分離への応用
Project/Area Number |
02453156
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 忠史 大阪大学, 工学部, 教授 (70201845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 千枝 大阪大学, 工学部, 教授 (70028976)
江間 喜美子 大阪大学, 工学部, 助手 (10029168)
西沢 嘉寿成 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029089)
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Keywords | クラウンエ-テル / リチウム同位体 / 溶媒誘電率 / ハフニウム / ジルコニウム / ランタニド元素 |
Research Abstract |
1.リチウム同位体を大量分離するため,クラウンエ-テルをもちいた液膜法の基礎的条件の検討を行った.液膜系の供給相としては10M〜12M,受容相としては2.0Mの塩化リチウム水溶液が最大の分離性能を示すことが明らかになった.また液膜相として,クラウンエ-テルを溶解させた有機溶媒の誘電率が同位体分離係数に多大の影響を与えることが分かったので、各種有機溶媒とベンゾ15ークラウンー5との組み合わせで最良の条件を熱化学的に探った.その結果,抽出のエンタルピ-変化と同位体分離のエンタルピ-変化の間には相関があることが分かった.すなわち,大きい分配係数を与える系では,高い分離係数が得られる.クロロホルムを溶媒とした系で ^6Li/ ^7Liに対して分離係数はα=1.057になった. 2.ハフニウム/ジルコニウムの相互分離をジシクロヘキシル18ークラウンー6をもちいて行った.当クラウンエ-テルとハフニウム,ジルコニウム錯体は,金属イオン一個をクラウンエ-テルがはさむ形の,いわゆるサンドイッチ構造をしていることが明らかになった.そのときの分離係数は15で,液・液抽出法を利用したものとしては特別に大きい値である. 3.クラウンエ-テル(CE)及びテノイルトリフルオロアセトン(TTA)を用いたランタニド元素の抽出挙動を調べた.CE又はTTA単独では小さい分離係数が両者を用いた系では飛躍的に増大することがわかった.その錯体形は主にM(CE)(TTA)_3であり,一部M_2(CE)_3(TTA)_6である.ベンゾ15ークラウンー5についてはYb>Gd>Eu>Sm>Nd>Ceの順に分配係数が大きい.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 西沢 嘉寿成,八代 長生,岩崎 治夫,山本 忠史: "Lithium Isotope Separation by Liquid Membrance Using Crown Ether." Proc.Int.Symp.Isotope Separation and Chemical Exchange Uranium Enrichment(Tokyo)1990.(1992)
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[Publications] 西沢 嘉寿成,吉川 利彦,西尾 剛,山本 忠史: "Fluctuation of Lithium Isotopic Ratios Induced by Salt Concentrations in LiquidーLiquid Extraction System." Proc.Int.Symp.Isotope Separation and Chemical Exchange Uranium Enrichment(Tokyo)1990.(1992)