1991 Fiscal Year Annual Research Report
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02454001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 隆 京都大学, 理学部, 教授 (20022692)
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Keywords | 超遺伝子族 / 分子系統樹 / ホモロジ- / 進化 / 遺伝子分類 / 組織特異的発現 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
【1】超遺伝子族に於ける基本的解析技術は相同性探査、複数の配列のマルチプルアラインメント及び分子系統樹推定法の3つである。前年度の研究で、これらの方法の改良が作業能率上必須であるとの反省に立って、先ずこれら基本的技術の開発、改良を行なった。1)同一遺伝子族に属する既知のメンバ-を集め、複数の保存領域の各座位に出現するアミノ酸の頻度を求め、それを基に類似の配列を探査する新しい『局所探査法』を開発した。この方法を免疫グロブリン、フィブリノネクチンタイプ3、カドヘリン超遺伝子族に応用し、レセプタ-型チロシンキナ-ゼ遺伝子族のメンバ-にそれぞれに類似の配列を検出した。これらの結果を基に、この遺伝子族を分類することを試みた。2)新しい簡便なマルチプルアラインメント法を開発した。この方法の特徴はアニ-リングによりベストに近いアラインメントを実現する点にある。この方法はワ-クステ-ションによく適合し、百本程の配列を数分程度でアラインメントを行うことが出来る。3)推定した系統樹の信頼性を量的に示すブ-トストラップ確率を樹上に示すコンピュ-タプログラムを開発した。 【2】我々は前年度超遺伝子族メンバ-の分子系統樹から以下の2つの特徴を見い出した:(イ)遺伝子重複によるメンバ-の機能分化は脊椎/皆脊椎動物の分岐以前に起こる。(ロ)その分岐後、組織特異的に発現する遺伝子の分化が起こる。この結果を上記の新たに開発した方法によって13の遺伝子族について詳細に検討し、例外無く成立していることを確認した。更に小胞体など細胞内分画に局在するタンパク質では、その分岐が非常に古い事が明かになった。これらの結果は表現形の進化と分子進化を関連づける重要な知見となるものと期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kuma,K.: "The immunoglobulin family" Current Opinion in Structural Biology. 1. 384-393 (1991)
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[Publications] Kuma,K.: "Motifs of immunoglobulinーlike domains:Neurotrophic factor receptors trk and trkB are members of the immunoglobulin family." Proc.Japan.Acad.67B. 188-192 (1991)
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[Publications] Iwabe,N.: "Evolution of RNA polymerases and branching patterns of the three major groups of archaebacteria." J.Mol.Evol.32. 70-78 (1991)
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[Publications] Matsuda,S.: "Purification and molecular cloning of succinyltransferase of the rat αーketoglutarate dehydrogenase complex." J.Biol.Chem.266. 19013-19017 (1991)
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[Publications] Hayashida,H.: "Interーchromosomal gene conversion as a possible mechanism for explaining divergence patterns of ZFYーrelated genes." J.Mol.Evol.
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[Publications] Hasegawa,M.: "Early branchings in the evolution of eukaryotes:Ancient divergence of entamoeba that lacks mitochondria revealed by protein sequence data." J.Mol.Evol.