1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 剛 京都大学食糧科学研究所, 助手 (90201962)
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Keywords | らん藻 / アスコルビン酸ペルオキシダ-ゼ / アスコルビン酸 / 活性酸素 |
Research Abstract |
1.らん藻には、葉緑体と同様に光還元生成物を電子供与体とするペルオキシダ-ゼ反応でH_2O_2を消去できる種と、できない種が存在し、これはAscorbate peroxidase(APX)活性の存否と対応する。らん藻のAPXは高等植物の酵素と異なり、その電子供与体はアスコルビン酸(AsA)ではないことを見いだした。1)らん藻粗抽出液のCh1当りのAPX活性はホウレンソウの10%以下であった。さらにAsAがない条件で、ホウレンソウのAPXは失活したが、らん藻のAPXは失活しなかった。2)らん藻細胞にH_2O_2を添加したときの光依存H_2O_2消去活性は、粗抽出駅APXによる消去活性の10倍以上であった。3)アスコルビン酸オキシダ-ゼによっても、また、酸抽出液を逆相HPLCで分離する方法でも、アスコルビン酸は検出できなかった。以上のことから、らん藻のAPXはホウレンソウの酵素と異なり、生理的な電子供与体はアスコルビン酸ではないことが分かった。4)現在、酸抽出液中に、HPLCで電気化学的に検出できる3種の酸化還元物質が、らん藻ペルオキシダ-ゼの真の電子供与体となるかどうか検討中である。 2.このペルオキシダ-ゼの性質を明かにするため、精製を行っているが、現在までに、1)この酵素は、AsAを基質とし得るが、グルタチオン、チトクロムcは基質としないこと、2)0.4mMのKCNで阻害されることが明らかになった。
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