1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454018
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
竹内 郁夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 所長 (90025239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 昌生 京都大学, 理学部, 助教授 (90179680)
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Keywords | 細胞分化 / パタ-ン形成 / 遺伝子発現 / 分子生物学 / 細胞性粘菌 |
Research Abstract |
細胞性粘菌の発生系では、細胞が集合して組織を形成するとその中で2種類の細胞(予定柄細胞と予定胞子細胞)が組織の大きさに関係なく一定の割合で分化し、それぞれ組織の前後を占める。この分化パタ-ン形成機構を明らかにする目的で研究を行い本年度は次のようなことが明らかになった。 1)予定柄細胞に特異的におこる遺伝子発現を組織化学的に検出できる形質転換株を組織の形態形成運動の起こらない液体培養条件で培養した。その結果、この条件下で予定柄細胞は集合塊中でランダムに分化し始め、その後次第に分化した細胞の数が増加するとともに集合塊の1カ所に集まり最終的に集合塊の半分を占めることが解った。さらに集合塊の最外周の細胞は予定柄細胞か柄細胞に分化していた。この結果は既に我々が明らかにしていた予定細胞の分化パタ-ンとよく一致した。 2)予定胞子細胞で特異的に転写する遺伝子のプロモ-タ-とβーガラクトシダ-ゼの遺伝子をつなげたキメラ遺伝子を粘菌細胞に形質導入し発生過程における発現を調べたところ、ノザン法でしらべられるmRNAの発現時期より早く集合中の細胞のごく一部で発現がみられた。これはこれまでと違って検出感度が上がって個々の細胞における発現を調べることができたためと考えられる。この時期に分化細胞は集合流の中でランダムに現れるが、組織が乳頭状突起を形成する頃には組織の下部に集まった。これは、我々の今までの主張である分化した細胞間の選別により特異的な分布パタ-ンがつくられるという考えを正常発生過程で予定胞子細胞の分布の変化から初めて実験的に明らかにしたことになる。 3)予定胞子細胞に特異的なDp87遺伝子の機能を解析するためにホモロガスリコンビネ-ションによりこの遺伝子を破壊する試みは、現在ベクタ-をつくり終えこれから粘菌細胞に形質導入するところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takemoto,K.: "cAMP regulation of the expression of prespore specific genes,SP96 and Dp87 in disaggregated slug cells of <Dictyostelium>___ー <discoideum>___ー." Cell differentiation and Development. 31. 89-96 (1990)
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[Publications] Tasaka,M.: "Isolation and characterization spore coat protein (Sp96) gene of <Dictyostelium>___ー <discoideum>___ー." Cell differentiation and Development. 31. 1-9 (1990)
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[Publications] Toda,K.: "Structure and expression of elongation facter 2 gene during development of <Dictyostelium>___ー <discoideum>___ー." J.Biol.Chem.264. 15489-15493 (1989)
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[Publications] Takeuchi,I: "Formation of differentiation pattern in <Dictyostelium>___ー <discoideum>___ー." Genome. 31. 620-624 (1989)
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[Publications] Takeuchi,I.: "Cell sorting and pattern formation in <Dictyostelium>___ー <discoideum>___ー.In “Cellーcell interactions in early development"(J.Gerhart ed.)" WileyーLiss,Inc., (1991)
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[Publications] 竹内 郁夫: "“細胞社会とその形成"(江口 吾朗・鈴木 義昭・名取 俊二編)粘菌細胞による分化パタ-ン形成" 東京大学出版会, 13 (1989)