1992 Fiscal Year Annual Research Report
テトラヒメナの分裂停止突然変異株を利用した細胞分裂の分子桟構の解析
Project/Area Number |
02454020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邉 良雄 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00015918)
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Keywords | テトラヒメナ / 分裂停止突然変異株 / テトラヒメナ・アクチン / プロフィリン / EF-1α / Ca^<2+>-結合蛋白質 / 細胞分裂 / 細胞質分裂 |
Research Abstract |
動物細胞の細胞分裂の桟構を分子レベルで明らかにするため、テトラヒメナの細胞分裂の突然変異株cdaA、cdac等を用いて、(1)分裂面決定桟構、(2)分裂溝形成桟構、(3)分裂溝陥入桟構、(4)分裂溝消失桟構、(5)分裂におけるCa^<2+>-結合蛋白質の制御的役割、などについて解析を行った。分裂面の決定にはcdaAlの変異遺伝子産物であるp85がアクチン繊維形成核となり収縮環微小繊維が形成されることが、蛍光抗体法や性質の異なる骨格筋アクチンの注射により非桟能的収縮環形成に伴う分裂停止現象などから明らかになった。分裂溝陥入桟構ではcdaC6の解析により、収縮環アクチンを束化するアクチン結合蛋白質が極めて大切な役割をになうことが判明した。我々は、14-nm繊維と結合する蛋白質が存在することをつきとめ、その遺伝子を解析したところEF-1αであることがわかり、最近報告されているようなアクチン束化因子としての桟能があるかどうか現在検討している。細胞質分裂では収縮環の収縮に伴って微小繊維の脱重合が起ることが提唱されているが、これまでその実体にせまるような結果が得られいなかった。この点に関し、アクチンの重合を阻害するアクチン結合蛋白質であるプロフィリンをテトラヒメナからはじめて精製することに成功した。そして、その蛍光抗体法から、プロフィリンが分裂溝にアクチン繊維と共に局在することを発見した。これは分裂桟構にとつてもまた、プロフィリンの新しい桟能にとつても重要なことなのでテトラヒメナ内にプロフィリン遺伝子やその改変遺伝子を導入して桟能を検討している。Ca^<2+>制御桟構についても、我々はテトラヒメナで、カルモジュリン、TCBP-23、TCBP-25の3種のCa^<2+>-結合蛋白質の遺伝子をクローニングしたので、これらや改変した遺伝子をpKK-223-3でE_1coliで蛋白質を合成させている。現在、これらの蛋白質をテトラヒメナに注射し、これらCa^<2+>-結合蛋白質の分裂への役割を検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohba,H.,Hirono,M.Edamatsu,M & Watanabe,Y.: "Timing of formation of Tetrahymena contractile microfilaments investigated by inhibition with skeletal muscle actin" Developmental Genetics. 13. 210-215 (1992)
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[Publications] Hirono,M.Sutoh,K.Watanabe,Y. & Ohno,T.: "A chimeric actin carrying N-terminal protein of Tetrahymena actin does not bind to DNase I" Biochemical and Biophysical Res.Commun.184. 1151-1156 (1992)
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[Publications] Hirono,M.,Saijo-Kurita,K.,Kurashi-ma,J.& Watanabe,Y.: "Expression of Tetrahymena actin in mammalian cells" Cell Biology International Report. 16. 645-651 (1992)
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[Publications] Takemasa,T.,Takagi,T,Edamatsu,M.& Watanabe,Y.: "Calmodulin cDNAs from two species of Tetrahymena" Biochim.Biophys.Acta. 1132. 219-221 (1992)
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[Publications] Edamatsu,M.,Hirono,M.& Watanabe,Y.: "Tetrahymena profilin is localized in the division furrow" J.Biochem.112. 111-116 (1992)
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[Publications] Kurasawa, Y.,Numata.O,Hirono,M.& Watanabe,Y.: "Identification of Tetrahymena 14-nm filament-associated protein as elongation factor 1α" Exptl.Cell Res.203. 251-258 (1992)