1991 Fiscal Year Annual Research Report
イネにおけるゲノム容積の変異とその育種への応用に関する研究
Project/Area Number |
02454034
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山元 皓二 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70011971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 元吉 東京大学, 農学部, 教授 (90134501)
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Keywords | イネ / ゲノム容積 / 突然変異 / 4倍体照射法 |
Research Abstract |
イネの人為4倍体の集団を累代照射(ガンマ線)することにより、集団中に2倍体と似た形態をもつ個体が出現してくる。これらの個体の自殖後代を無照射で栽培し,さまざまな変異形質を持つ系統を選抜した。それぞれの系統で染色体数を調べたところ2n=24でイネの2倍体と同じであることが分かった。これらのことを2倍体復帰系統と呼ぶ。4倍体照射法の変異誘発法としての有効性を示すために,ゲノム容積(細胞核当りDNA量)の変化と諸形質の変異について調査した。 1.ゲノム容積の変異 既存の栽培品種を25品種,農林8号のガンマ線誘発突然変異を26系統(農林省放射線育種場より入手),2倍体復帰系統を37系統(フクニシキ由来24系統,日本晴由来13系統):4倍体個体を94個体(フクニシキ由来65個体,日本晴由来29個体)を用いて細胞核当りDNA量を,顕微分光光度計を使って測定した。 品種間でDNA量に変異があり,最少と最大で1.27倍の違いがあった。4倍体照射法で得られた2倍体復帰系統間でも同程度の変異が見られた。農林8号の突然変異系統間ではいくぶん変異幅が狭かった。また原品種と比べた場合,DNA量の多い方向に変異しているものの割合は2倍体復帰系統の方が多い傾向にあった。4倍体集団は放射線を照射されることにより,DNA量を変動させ,23.5%減のものから5.9%増のものまで見られた。 2.収量形質の変異 同じ品種や系統を用いて収量に関係する形質の変異を調査した。既存の品種では100粒重と1穂粒数の間には負の相関がみられる。一方,2倍体復帰系統では相関がないか正の相関が見られ,品種の変異誘発とは異なった変異様式でもって系統が生じていることが分かった。
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Research Products
(2 results)