1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平井 篤志 東京大学, 農学部, 教授 (60023470)
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Keywords | イネ / 核DNA / パルスフィールド電気泳動 / メチル化 |
Research Abstract |
分子育種を進める基礎としてイネの核ゲノムの構造を明らかにする目的で核DNAの構造をパルスフィールド電気泳動法で解析した。イネ(日本晴)の乾燥種子の胚芽から細胞核を単離し、巨大DNAを扱うためゲル中に包埋し、高EDTA濃度下、Proteinase KとSarkosylで処理して細胞核DNAを調製し、各種制限酵素で切断した。 パルスフィールド電気泳動による分画の結果、MbサイズのDNAが単離可能であったが、おそらくメチル化の度合いが少ないため、各種制限酵素処理によって現われたDNAの平均サイズは他の植物に比べ小さかった。そのため条件が異なる組織である吸水胚芽と緑葉から同様に巨大DNAを調製した。これを用い3者を比較したところ吸水させた種子の胚芽から単離した核のDNAはよりメチルかの度合いが少ないことを示しており、メチル化が遺伝子発現の制御に関係していることを示唆する結果になった。またJaponicaである「日本晴」とIndicaである「ハバタキ」の緑葉から単離した巨大DNAを認識部位が少ない制限酵素で処理し、パルスフィールド電気泳動すると、染色パターンに違いがみられた。これは近緑種でもゲノムの構造が数100kbの単位で異なることを示している興味深い結果である。 ある種のイネではミトコンドリア内にプラスミド様DNAがあるが、それと相同的な塩基配列が核ゲノムに多数ある。この配列の位置を染色体上にRFLPを用いて決定した。それによるとミトコンドリアから核へのDNAの移行は染色体の限られた場所へ行われることが示された。これは染色体の限られた場所が外来のDNAを受け入れることを示唆しているかも知れない。
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[Publications] Kanno, A.: "Comparative studies on the structure of chloroplast DNA from four species of Oryza: Cloning and physical map." Theor. Appl. Genet.83. 791-798 (1992)
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[Publications] Honda, H.: "The gene for the α-subunit of ATPase: a site of homologous recombination in plant mitochondrial DNA also functions in somatic hybrid cells." Theor. Appl. Genet.84. 33-38 (1992)
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[Publications] Iwahashi,: "Genetic and physical maps and a clone bank of mitochondrial DNA from rice." Theor. Appl. Genet.84. 275-279 (1992)
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[Publications] Hatano, S.: "The preparation of high-molecular-weight DNA from rice and its analysis by pulsed-field gel electrophoresis." Plant Science. 83. 55-64 (1992)
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[Publications] Nakazono: "Identification of the entire set.of transferred chloroplast DNA sequences in the mitochondrial genome of rice." Mol. Gen. Genet.
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[Publications] Kanno, A.: "Variations in chloroplast DNA from rice (Oryza sativa) differences between deletions mediated by short direct-repeat sequences within a single species." Theor. Appl. Genet.