1992 Fiscal Year Annual Research Report
イネ突然変異誘発遺伝子の機能に関する分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
02454036
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山縣 弘忠 京都大学, 農学部, 教授 (40026373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中崎 鉄也 京都大学, 農学部, 助手 (60217693)
奥本 裕 京都大学, 農学部, 講師 (90152438)
谷坂 隆俊 京都大学, 農学部, 助教授 (80026591)
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Keywords | イネ / 突然変異誘発遺伝子 / 細粒遺伝子 / RFLP分析 |
Research Abstract |
銀坊主へのガンマ線照射により、劣性の1細粒遺伝子ととも誘発された突然変異誘発遺伝子(mutator)は、質的形質のみならず重要な農業形質にも多様な変異を誘発するので、新しい水稲育種技術の開発に貢献し得るものと期待される。本研究は、mutatorの育種的利用を可能にするために、mutatorを活性化すると見られる細粒遺伝子およびmutator誘発突然変異遺伝子と密接に連鎖するDNA部位を、RFLP分析およびRAPD分析によって探索し、クローニングに必要な基礎的知見を得ようとしたものである。得られた結果は、以下のとおりである。1)細粒遺伝子座に関する連鎖分析の結果、細粒遺伝子は第7染色体のrfs(rolled-fine-stripe)遺伝子座のごく近傍に座乗することが判明した。このことから、細粒遺伝子のRFLP地図上の位置は、第7染色体のRFLP部位20〜152の近辺であると推定された。今後は、細粒遺伝子座とこれらRFLP部位との連鎖関係を利用して細粒遺伝子とより緊密に連鎖するRFLP部位の探索を効率的に進めることができると考えられる。なお、本研究の範囲では、細粒遺伝子と緊密に連鎖するRAPDマーカーを発見することはできなかった。2)mutatorによって誘発された濡れ葉突然変異遺伝子座は第9染色体のRFLP部位385のごく近傍にあり、drp-2座と同座である可能性が高いことが判明した。また、トウモロコシのアントシアン合成関連遺伝子のDNAクローンを用いたサザン解析の結果、無着色イネと着色イネとの間に明瞭なRFLPが観察されたことから、トウモロコシのDNAクローンの利用による、mutator誘発着色関連遺伝子座、A座あるいはC座、の単離の可能性が示唆された。
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[Publications] 堀端 章: "イネmutatorの育種的利用に関する研究 5,細粒個体における不対合染色体の出現と細粒遺伝子の復帰突然変異との関係" 育種学雑誌. 40(別2). 250-251 (1990)
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[Publications] 小森 俊之: "イネmutatorの育種的利用に関する研究 6.細粒遺伝子の座乗位置の同定" 育種学雑誌. 42(別1). 150-151 (1992)