1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 一 京都大学, 農学部, 教授 (20026397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 五郎 (株)湘南グリーン, サービス, 取締役,研究員
丸山 宏 京都大学, 農学部, 助手 (30157416)
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Keywords | 都市計画法 / 耕地整理法 / 土地区画整理 / 公園 / 大正期 / 土地収用法 |
Research Abstract |
本年度はおもに大正8年の都市計画法施行後、都市計画の手法として、区画整理のために準用された耕地整理法(明治42年制定)が、都市おける公園設置に及ぼした影響を明らかにすることが課題であった。資料の収集は国会図書館、地方図書館・資料館・文書館(東京都立中央図書館、北海道立文書館、京都府立総合資料館、大阪府立中之島図書館等)を中心におこなった。 都市計画法が法的に不備であったため、土地区画整理を行うには耕地整理法の準用は不可避であった。実質的な都市計画法の適用のは関東大震災(大正12年9月)の復興事業のため、翌13年3月、特別都市計画法施行令発布による。この事業で土地収用法とともに耕地整理法が準用される。復興事業で新設された公園の多くは土地収用法によるが、目下、耕地整理法との関連を調査中である。現在、行政資料から耕地整理法の公園適用例として明らかなものは、昭和2年9月、大阪府が都市計画課に対して照会した件である。都市計画課は耕地整理法第1条第1号の事業として、土地区画整理地内における公園留保地が該当するいう回答をおこなった。これ以後、耕地整理により公園地が確保できることになった。公園面積については昭和8年7月の土地区画整理標準により、「公園面積ハ地区面積ノ三「パ-セント」以上」という数字があげられた。現在、この3パ-セントという基準の出所について継続調査中である。また、区画整理事業の啓蒙のため創刊された雑誌「区画整理」および「区画整理」の前進にあたる雑誌「都市創作」から個別の公園設置の経緯が理解された。 大正期において、耕地整理法の準用によって設置された公園は現在のところ確認できなかったが、土地収用法による公園の設置は前述の復興公園をふくめて、数多いことは特筆にあたいする。
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