1991 Fiscal Year Annual Research Report
流通過程における花卉の生理特性と品質保持、ならびに流通システムの確立に関する研究
Project/Area Number |
02454049
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今西 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20081549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
切畑 光統 大阪府立大学, 農学部, 助手 (60128767)
上田 悦範 大阪府立大学, 農学部, 講師 (50081550)
福住 久代 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10081548)
土井 元章 大阪府立大学, 農学部, 講師 (40164090)
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Keywords | 切花 / 鉢物 / 輸送 / エチレン / 二酸化炭素 / 水ストレス / 水ポテンシャル / ソルビト-ル |
Research Abstract |
1. 切花が輸送中にどのような気相条件にさられさるかを把握するため、卸売市場に集荷された輸送ケ-ス中のエチレン及び二酸化炭素濃度を計測したところ、発泡スチロ-ルで密閉されている場合や輸入切花が入っっている場合に、しばしば高濃度のエチレンや二酸化炭素が検出された。 2. シュッコンカスミソウおよびキク切花を箱づめ後、予冷の有無および種々の輸送温度を組み合わせて輸送をシュミレ-トし、段ボ-ル箱内の気相条件を計測した。その結果、輸送中の温度が高かったり、急激な温度上昇があると、エチレン生成や呼吸が促されることが明らかになった。シュッコンカスミソウでは、このエチレンが品質保持期間を短くする一因と考えられるが、あらかじめSTSやしょ糖を用いて水あげを行うことにより、品質低下を回避することができた。また、予冷の効果はキクにおいて顕著であり、品温の上昇が生じにくことが原因と考えられた。 3. 鉢物であるアフリカホウセンカでは、輸送中のコンテナ内のエチレン濃度と落らいとの間に密接な関係がみられた。 4. バラ切花を用いて、品質保持に有効な処理剤の検索と保持環境の影響を検討した。0.3mM8ーHQS+0.2mMSTS+0.05Mソルビト-ル溶液を処理剤として前処理することにより、著しい品質保持効果が認められた。この効果を得るには、切花の水分状態を良好に保つことが前提となり、そのためには、8ーHQSや硫酸アルミニウムを添加することが有効であると同時に、生け水の水温を下げたり、光環境を制御し、暗期を設けて明期に発生する水ストレスを回復させることが有効であった。 5. 8ーHQS+STS+ソルビト-ル溶液で前処理を行った切花の水ポテンシャルと糖含量の測定を行ったところ、前処理により花弁や葉の水ポテンシャルが長期にわたって高く維持され、また、ソルビト-ルは花弁中ではすみやかに果糖に転換されることが分かった。
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