1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454055
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岩下 嘉光 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20007884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 秀樹 宇都宮大学, 農学部 (00134263)
管家 英治 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20007967)
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Keywords | 蚕系学 / 昆虫ウイルス / 核多角体病ウイルス(NPV) / ウイルス核酸 / ウイルスタンパク質 / 昆虫病理学 |
Research Abstract |
1、培養細胞BmNにNPVを接種し、その感染増殖過程について光学及び電子顕微鏡観察を行い、その特徴を病理組織学的に明らかにした。 2、培養細胞及び感染蚕から多角体を分離・精製法を検討した。不連続蔗糖密度勾配法による遠心分画とパ-コ-ルを溶媒とした遠心分画法とを併用して、多角体を回収、精製することができた。 3、3系統のNPV多角体に、それぞれ形状、大きさに相達があるため倒立位相差顕微鏡とミクロマニュプレ-タ-を用いて、各系統とも大きさの均一な多角体のみに分別した。これを培養細胞に接種し、ウイルス増殖、多角体形成などを追跡した。接種多角体の大きさと形成多角体の大きさとは育為の関係がなく、形状は30℃では立方体,20℃では外観6角形の36面体となり、宿主細胞の代謝条件に左右される事が判明した。 4、0.01MNa_2CO_3ー0.025MNacl(pH11.4)を30℃でC系統は20分、Ta系統は25分、54N系統は20分と、系統により溶解性が異なり、更に電顕観察により、上記の濃度と処理時間で発育膜は変性、分離することなく、完全な形態で精製できることが分った。 5、各系統の多角体及びウイルスのタンパク質をSDSーPAGEにより泳動し、分離した。54N系が18,Ta及びC系統が16のバンドを認めた。後2者はそれぞれ異った分子量のタンパク質が欠損しており、3系統共に構成タンパク質が違っていた。またウイルスのタンパク質分画は3系統とも16バンドを教えたが、それぞれ特有なバンドの欠損があり、3系統の遺伝情報に相違があることが推測された。 6、ウイルス核酸のDNAをフェノ-ル法で抽出し、EcoRI,HindIII,BamH1,SmaIで処理した断片の泳動の結果、EcoRI及びHindIIIにより3系統間の泳動パタ-ンが相違し、3系統間の遺伝子配列の一部分が相違していることが判明した。
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Research Products
(1 results)