1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454055
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Research Institution | UTSUNOMIYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩下 嘉光 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20007884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅家 英治 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20007967)
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Keywords | 核多角体病ウイルス / 昆虫ウイルス / モノクロナール抗体 / 酵素抗体法 / ウイルスタンパク質 / ウイルス核酸 |
Research Abstract |
1.核多角体病ウイルス変異株、T株の多角体形成の特異性 T株は他の変異株とは異なり、立方体の多角体を形成する。5令起蚕に5℃で24時間の低温処理後、多角体を経口接種して中腸細胞に感染させた。感染幼虫の飼育温度を20、25、30℃に設定し、経時的に感染中腸を採取し、光顕及び電顕試料を作成した。20℃では増殖は緩やかであったが、形成多角体は外觀六角形の18面体であった。30℃では多角体は立方体の6面体、25℃の中間温度では立方体と立方体の角が削れ変形18面体との多角体が混在した。この原因を明らかにする目的で、多角体構成タンパク質をSDS-PAGE法により泳動分離した。その結果、T株のみは57.6KDaのペプチドが存在せず、多角体の形状に関与する事が考られた。 2.モノクロナール抗体によるウイルス粒子と多角体の抗原性 I株のウイルス粒子のモノクロナール抗体を茨城県蚕業研究所と共同で作成した。本抗体を用いて、変異系統6株のウイルス粒子についてダイレクトネガティブ染色法により、抗原性の有無を調べた。その結果、I株の発育膜のみに抗原性を有し、他の変異株には全く反応が認められなかった。 次に、多角体の主構成タンパク質のポリヒドリンのモノクロナール抗体をヤマサ醤油KK研究所と共同で作成した。本モノクロナール抗体を用いて、非標識酵素抗体法によって変異系統6株の増殖過程を追跡した。6株ともにウイルス接種後、8〜10時間目に中腸細胞核内に陽性反応を認めた。 3.各変異株の構成タンパク質と核酸の塩基配列の相違 4変異株の構成タンパク質をSDS-PAGE法により泳動分離した。また、核酸を制限酵素処理によりDNA切断パターンを作成し比較した。その結果、4株ともに、塩基配列の1部に相違が認められると共に、構成ペプチドパターンも異ることを明らかにできた。
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Research Products
(1 results)