1990 Fiscal Year Annual Research Report
ウシキモシンおよびムコ-ルレンニンの蛋白工学的研究
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02454062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
別府 輝彦 東京大学, 農学部, 教授 (80011873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 真 東京大学, 農学部, 助手 (00208240)
堀之内 末治 東京大学, 農学部, 助教授 (80143410)
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Keywords | アスパラギン酸プロテア-ゼ / 蛋白工学 / 部位特異的変異 / サブサイト / リフォ-ルデイング |
Research Abstract |
まず第一にムコ-ルレンニンの酵素活性に重要な機能を果たすと思われる75Tyrについて15種類の変異酵素の取得に成功し、活性を測定した。その中で、Tyrと同じ芳香族アミノ酸であるPheとTrp以外に性質の全く異なるAsnにも活性が見いだされた。そこで、アミノ酸配列の異なる2種類の合成基質(I、II)を用いて無変異酵素とTyr75Asn変異酵素の反応速度論的解析を行った。pH4.2においての活性は無変異に比べ、基質1ではKmは変化しないのに対し、kcatが0.1倍である一方、基質IIでは、kcatが変化しないのに対し、kmが2.5倍になるという結果を得た。さらにpH3.2から5.2の範囲で解析を行ったが、同じ傾向がみられた。以上の結果より、75番の部位が触媒活性に直接関与していることが強く示唆された。次に第二に基質と広く結合すると考えられる部位の改変について行った。Glu12Thr,Asn13Gln,Thr218Ser,Asn219Ser,Phe220Glu,Phe220Leu,lle222Thrの変異酵素を取得し、先の2種類の合成基質を用いた解析を行ってきた。現在この中で時に、S_4サブサイトのAsn219Ser変異酵素では、無変異に比べ基質Iではkcatが、基質IIではKmが大幅に変化するという結果を得るなど、各部位の機能の一部を明らかにした。最後に第三にプロキモシンのリフォ-ルデイングにおいてN末アミノ酸の重要性について検討した。プロキモシンN末の4アミノ酸をトリプトファンリ-ダ-ペプチドの8個のアミノ酸に置換したCR601は、従来の4時間1段階の透析では、正しいリフォ-ルデイングが起こりにくいことが示されていた。今回、開発した24時間6段階の処理により活性型キモシンの収量が20倍上昇することが明らかになった。さらにCR601のN末から2番目のLysを7種類のアミノ酸に変換したところ、AspとGluのみで収量が上昇した。以上のことにより、CR601の再生過程にはN末の数アミノ酸、特に2番目のアミノ酸が重要であることが示された。
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Research Products
(1 results)