1990 Fiscal Year Annual Research Report
食品アレルゲンによって誘導される免疫抑制因子の単離・同定とその機能解析
Project/Area Number |
02454065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野川 修一 東京大学, 農学部, 教授 (50011945)
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Keywords | 抑制T細胞 / 抑制因子 |
Research Abstract |
抑制T細胞株を効率よく樹立するためには,細胞が生体中に数多く存在する条件を選択する必要がある。抑制T細胞においては抗原に対して低応答性である動物に多く存在するとされている。ミルクアレルゲンであるα_<s1ー>カゼインに対してはC/57 BL/6が低応答性であることが明らかとなっていたため、このマウスにα_<s1ー>カゼインを免疫し,免疫抑制因子を生産する細胞株を検素した。その結果,多くの抑制因子産生株を得ることに成功した。そのうちの一株について,その作用機作を調ベた。すなわち,アッセイ系としては,抗原を免疫したマウスのリンパ節細胞をその抗原とともに培養するin vitro抗体産生系を用いた。その結果,この細胞は抗体産生を阻害した。またこの細胞の標的細胞を明らかにするためヘルパ-T細胞株を樹立し,この細胞を用いて実験を行なったところ,本研究で得られた抑制T細胞はヘルパ-T細胞のクロ-ンを抑制することを観察した。さらに,この細胞は本研究の目的とする,免疫抑制因子をその培長上清に防出することを確認した。この物質について,その性質について検討を加えた。この物質は,それ単独で,ヘルパ-T細胞の抗原刺激による増殖を抑制した。さらに、各種,細胞刺激物質について研究したところ,抗原レセプタ-に対する抗体による,増殖は抑制したが、1Lー2による増殖は抑制しなかった。また,50℃で30分間の加熱で失活した。分子量は3〜5万であることが明らかとなった。
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